いきなり彼女から”赤ちゃん“と云う生々しい言葉を聞いて、彼のペニスは小さな拍子でピクンっと反応をする。
C2の彼にとって、子孫を繋げて行く行為等は全くの未知なる世界である。
しかし、既に男としての精通を果たしている彼の身体だけは、目の前に在る完成された美しい女性の身体に熱く共鳴して仕舞う。
正章「僕・・と、やすこさんの・・・」
「・・あかちゃん?・・」
康子「貴方がOKなら・・・」
「・・私、産みたいの!」
「まちゃの赤ちゃん!!・・を!」
彼女は水泳と云う競技に魂を打ち込む傍ら、数々の恋愛を経て現在に至っている。
時には生涯の伴侶と決めて掛かる様な相手にも巡り合って来た。
だが、その想いは長くは続かなかったのだ。
何故なら彼女は、重度のショタコンである事が判明して仕舞ったからであった。
康子「私ね!・・恐らく、この後一生・・」
「結婚なんて、しない儘かも知れないの」
「・・多分・・・きっと、ね!・・」
彼女は、その時々の交際相手と何度も性交渉を持とうと試みて来た。
しかし、いざ、その段になるとどうしても体と心が云う事を聞いてくれなかった。
青年男性が持つ、素の身体を見ただけで身体が竦んで仕舞う。
否、それどころか自らの身体の表面に鳥肌が立ち、成熟した男性の身体に嫌悪感さえ覚えて仕舞う。
康子「心の病気・・なのかな?」
「・・・・・」
「もう、私には何も出来る事が無いのよ」
「・・・・・」
「私の事・・・」
「・・気持ち悪い、かな?・・」
彼女は悲しそうな微笑みを浮かべながら、彼に向かって自らの真実を隅々まで暴露して行く。
正章「そんな・・」
「そんな事、無い!!」
「康子さんは魅力的な女性です!!」
康子「ふふっ!(辛笑)・・・」
「・・ありがと! まちゃ!!」
正章「・・・・・」
彼女はそう言って彼の唇を優しく、チュッと奪って行く。
正章「・・・じゃあ?・・・」
「・・それじゃあ、僕は何をすればいいんですか?」
「僕に出来る事なら何でも言って下さい!!」
「お願いします!!」
彼の真摯な訴えに彼女の心は温かく絆されて行く。
康子「ぅふっ!(笑) 貴方は何もしなくていいのよ!」
「只、私と云う変な女を、少しの間
ちょっとだけ、受け容れてくれればいいの」
「・・それだけ・・只、それだけの事・・」
正章「はい!・・僕、何でもしますから!!」
「やすこさんの言う事、何でも聞きますから!!」
康子「まちゃっ!!」
正章「やすこさんっ!!」
彼女は自らの想いと隠し事の全てを彼に話す事が出来た。
後は思う存分に彼の遺伝子を受け容れて、その結晶たる子孫を残すだけである。
だがしかし、彼女には彼にも伝えられない最後の憂いが残されていた。
それは彼女自身にもよく分からない、霧の向こう側に在る不確かな心の陰であり、彼女にもはっきりと確認する事は難しかった。
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