勝負を終えた二人は着換えを済ませて、体育館の入り口で待ち合わせをする。
雫「お待たせ~!」
「あれ?・・本当に待たせちゃった・・かな?」
彼は深刻そうな顔をして、彼女の登場を待っていた。
典史「・・んっ?、あ、いや、別に・・」
勝負に負けた事自体には何のこだわりも無かった彼ではあったが、何しろこれから要求されるであろう彼女からの条件が怖かった。
ただでさえやりたい放題の彼女である。
どの様な無理難題を吹っ掛けて来るのか。
彼はその事が只々気が気では無かった。
雫「な~に~?、深刻な顔をしちゃって?!」
典史「その・・相原、さん・・」
雫「さん付けって・・もうっ!やめてよ~!」
「気味が悪いからさっ!!」
彼は彼女からのクレームを受けて、元の調子に戻して行く。
典史「相原・・」
雫「何よ?・・何が言いたいの?」
典史「相原の云う条件、と云うか」
「要求って、どんな事、かな?」
雫「私の要求?・・それ、は・・」
彼女は急に両手の指を絡ませながらモジモジし始めて、身体をクネクネと捩り始める。
雫「それは・・・その・・」
「・・・・・」
「・・・えっち、かな?・・」
彼女の声が余りにもか細くて、彼には殆ど聞き取れなかった。
典史「えっ?・・今、何て?」
雫「何てって?・・・だから!」
「・・えっち・・」
彼には辛うじて、エッチとだけ聞こえて来た。
典史「そ、そ、そっ、んな事無いって!!」
「君の水着姿を、そんな・・やらしい目でなんか・・」
「絶対に見てないからっ!!」
突然の言葉に彼は混乱して、意味を大きく取り違えて仕舞う。
だが彼は本当に彼女の水着姿を良く憶えては居ない。
そんな余裕が全く無かった為である。
雫「違うの!!」
「水着の事なんかじゃなくって・・」
典史「無くって?・・」
雫「貴方と、その・・・」
彼女はまた身体をくねくねとし始める。
典史「僕と?・・なに?」
雫「桑島コーチと、えっと・・」
「・・えっちがしたいな~なんて・・」
「きゃあぁぁ~~!!わっ!わっ!」
「言っちゃったよぉ~!!」
「もうっ!!ハズカシィ~!!(汗)」
彼は彼女の言っている言葉の意味が理解出来なかった。
典史「エッチがしたいって・・どゆこと?」
雫「はあぁぁ~?・・」
「どういうもこういうも・・えっちはえっちじゃん!!」
典史「だから!エッチをどうしたいの?」
雫「えっちを・・どうしたいって・・」
「・・・・・」
「アンタ、馬鹿じゃないの?!!」
典史「ばば、馬鹿って!!」
「君こそ何様だよ!!」
彼には目の前に居る、気は強いがとびきりの美少女で将来の活躍を嘱望されるJCの三年生と性行為が、どうしても結び付かなかった。
彼女は、そんな彼の様子にしびれを切らしてストレートに言葉をぶつけ始める。
雫「もうっ!!」
「なんだか、ごちゃごちゃ言って!!」
「あのねっ!!」
「私と!!」
「SEXしたいの?したくないの?」
「どっちなのよ!!」
典史「どっち・・どっちって???」
「そんなの・・いきなり過ぎる、よ・・」
彼は、やっと彼女の言葉の意味が理解出来た。
出来はしたが、今度はその行為その物を行う理由が分からない。
そして急に人目が気に成り始めた彼は彼女を広い公園に迄連れ出して行く。
そこで彼は彼女への質問を繰り返して行った。
典史「何故?・・何でいきなり僕と・・」
雫「それは・・・」
彼女は確信を突かれて戸惑い、押し黙って仕舞った。
彼はそんな彼女を優しく諭して行く。
典史「そりゃあさぁ、君位の年頃になれば性への関心も
高くなって来るよね!」
「でも君はまだCの3年生だろ!」
「まだ早いと思うよ・・そんな事を考えるのは」
自らを子ども扱いされた彼女は憤慨して、彼に猛然と抗議を始めて行く。
雫「私はもう大人ですから!!」
「ちゃんと生理も有るし!!」
彼女はそこまで言って、急に顔を赤らめて行く。
だが、その言葉は止まらない。
雫「だからっ!子ども扱いするのは辞めてください!!」
典史「わ、分かったから!」
「でも、それとこれとは話が違うだろ!」
雫「違わないっ!!」
「だって・・だって・・・」
「だって、貴方が好きなんだもん!!」
彼は彼女からいきなり愛の告白を受けた。
だが、SEXをおねだりした後の告白では正に順序が違う。
しかし、その行程は無茶苦茶ではあるが、彼女の心は真剣であった。
その証拠に彼女は今、何物をも射貫く様な鋭い視線で彼を見つめ、大きく見開いた目からはポロポロと涙をこぼし始めている。
その涙で彼の心は決まった。
そして彼は彼女へ気持ちを伝えて行く。
典史「僕も君が好きだよ!」
「でも、愛してるかどうかは・・」
「まだ、分からない・・」
「それは・・しょうがない、だろ?」
彼女は涙をこぼしながら、コクリと小さくうなずいた。
彼は人目を気にして無茶な事は出来ずに、彼女の肩を優しく手で撫でるしかなかった。
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