公園から少し歩くと、古いビジネスホテルにたどり着いた。幼女が足を止め私を見上げてくるので、ここが目的地だと分かった。
無人のフロントの前に立ち、呼び鈴を鳴らすと奥からスタッフが出てきた。そして私と幼女を一瞥する。
まずい!この組み合わせでビジネスホテルに来るなどどう考えても不自然だ。やはり幼女に場所選びを任せるべきではなかったか。
心臓が早鐘のように打つ。しかし私の吐きそうな程の緊張をよそにスタッフの対応は淡々としたものだった。
「二名様ですか?お部屋はどうします?」
「シングルで」
「サービスはどうします?」
「お願いします」
ポカンとする私をよそに、幼女は慣れた様子でスタッフとやり取りしていく。結果、私たちの関係性など一切聞かれることなく部屋に案内された。
部屋は狭く年季を感じるものだったが、不潔という印象ではなかった。なんだか体の力が抜けてしまい、どっかりとベッドに腰を下ろした。
「おじさん初めてでしょ」
そんな私の様子を見て幼女が笑いながら話し掛けてきた。そうだ、今のうちに聞きたいことを聞いてしまおう。
「ああ、まあね。ちょっと教えてくれるかな。ええっと、お嬢ちゃん」
「こひめだよ」
「子姫ちゃん?」
あまり聞き馴染みが無い名前だ。キラキラネームというやつだろうか。
「じゃあまず、『ハコ付き』って何のこと?」
「場所代込みってこと。今はハコ付きで3だから、ここのホテル代込みで3万円ってこと」
なるほど隠語と言うやつか。妙に納得した。
「さっきの受付慣れてたけど、ここよく来るの?」
「んー、たまに。ここね、さっきの受付の人にお金渡せばこういうことしても黙っててくれるの」
「こういうこと」というのは援助交際のことだろう。
「お金って?いくらくらい?」
「1万円」
つまりホテル代と口止め料を差し引いた残りが幼女のものになるわけか。料金が3万円だから、2万円に届かないくらいの金額が幼女の懐に入る計算だ。
とりあえずバレる心配もなさそうだし、気になっていた疑問も解消できた。不安がなくなると、忘れていた性欲が高まってくるのを感じた。
※元投稿はこちら >>