俺たちが高2の時、ずっと体調が悪かった住職が、とうとう入院した。医者の見立てでは、もうそんなに長くはないとのことだった。
すると当然、寺の跡取りをどうするか?ということが問題になる。
そのことについて、村長他、村の主だった連中が集まって話し合うことになり、俺もその場に呼ばれた。
始めに村長が口を切った。
「住職が倒れたってことになりゃ、順当なら、ゆうをすぐにでも本山に修行に行かせて、後を継いでもらわなきゃならん。だがその前に確かめにゃならんことがある」
そう言って俺を睨み、
「ゆう、お前うちの舞とつきあってるのか?」と聞いた。
俺は黙って頷いた。
「身体の関係か?」
俺がもう一度頷くと、隣に座っていた助役が
「か、戒律を破ったのか?うちの宗派の坊主は…」とがなり出した。
俺はこの助役が大嫌いだった。
俺はそいつを無視して、黙って例の先代住職の手帳を、村長に差し出した。
受け取って読む内に、村長の顔が見る見る青ざめて行った。
「それ、先代の住職のだって。戒律、守ってねぇよな?」
村長は無言で手帳を助役に手渡すと、しばらく黙り込んだ。
助役は受け取って読むと「あっ!」と短く叫んだ。
その手帳には、住職たちにヤラれた娘のフルネームと、裸の特徴。胸やアソコの形とか、挿入された時の反応など、かなり細かく書き込まれていた。
その後名字が変わったり、他の村に嫁いだりしたためか、俺には知らない名前ばかりだったが、村長たちには知った名前もあったのだろう。
「……それで?ゆうも先代の真似をしたって訳か?」
「俺は、他の男と結婚するはずの娘を、ヤッたりしてねぇよ。ただ、戒律を守る必要はねぇと思ったから、好きな女にヤラせてもらっただけだ。」
俺が言うと、村長はまた黙り込んだ。助役も他のおっさんたちも、同じだった。
やがて村長が
「わかった。だが、それを知って、お前に住職を継がせる訳には行かねえ。東京の母親の所へ帰ってもらうしかねえだろうな。」と言った。
汚い寺と村への復讐を始めた時から、この展開は覚悟していた俺だが、これまで散々修行だの寺の掃除だのさせておいて、都合が悪くなると、こんなにあっさりお払い箱とは!さすがに腹が立って、村長や他の連中を睨み付けた。
だが村長は意に介さず、
「もちろん、只とは言わねぇ。それなりのもんは用意させてもらう。まあ、こっちの都合で帰すようなもんだからな」と言い足した。
それなりとは、手切れ金のことだろう。どの程度の金額かわからないが、思えば村の宝の3少女の処女をもらい、坊主にならずに済む上に、金までもらって母親の元に帰れる。悪い話じゃなかった。
「分かりました」俺が承諾すると、そういうことに決まり、寄り合いは解散になった。
助役たちに続き、俺も部屋を出ようとすると、村長が
「ゆう、待て。ここからは舞の父親としての話だ」と引き止めた。
俺が座り直すと
「俺の大事な一人娘をキズモノにしたんだ。キチンと責任を取って貰うぞ!」と恐い顔を見せた。
「責任って、どうすれば?」
俺が聞くと、
「そりゃあ、娘の話を聞いてから決める。いいな?」
俺はだまって頷くしかなかった。
その日の夜、俺が本堂の奥の自分の部屋で寝転がっていると、いきなり玄関が開いて、誰かがヅカヅカと上がり込んできた。
俺はギョッとして布団の上に身を起こした。
挨拶もせず勝手に入ってきたのは、舞だった。
泣き腫らしたような赤い顔で俺の布団の横に座ると
「まったく!なんでこんなことになるのよ!」と怒鳴った。
「どうした?」
俺が聞くと、舞は
「お、お父さんが、お前みたいな恥知らずな娘は村に置いとけないから、追い出すって。ゆうちゃんに、と、東京へ連れてってもらえって…」 そう言って涙をボロボロ落とした。
俺は『村長が言ってたのは、こういうことか…』と理解した。
「俺と一緒に東京へ行く…嫌なのか?」
俺が尋ねると 、舞は
「あ、あんたはどうなのよ?こんなの連れて帰って、お母さんに怒られない?」と聞き返した。
「俺は別に構わねえ。お前はこの村一番のべっぴんだし、村の宝だからな。持っていっていいというなら、ありがてぇ話だ」
「なによ!人を物みたいに… 私、しつこいよ?一度村を出たら、もう帰るとこなくなっちゃうし、後で帰れなんて言われても…」
「そんなこと言わねぇよ…」
すると舞は
「お、お嫁さんにしてって、言うかもかもよ?私キズモノだもん。もう他にもらってくれる人もないし…」
と、これでどうだ?というような顔で俺を見た。
「ああ。お前がそうしたいなら、それでも構わねえ」
これにはさすがの舞も面食らったようだった。
子供の頃から、結婚はしない、一生独身だと思い込んで過ごしてきた俺にとって、誰かと夫婦になって暮らすというイメージが乏しかった。僧侶になるのはやめると決意してからも、すぐにこの舞とセフレのような関係になってしまったので、他の女に恋をする間も、将来をイメージすることもなかったのだ。
「そんなら…ゆうちゃんもそれでいいなら… 言ってくれてもいいんじゃない?」
「何をだよ?」
「だから!…」
真っ赤になってうつ向く舞。俺には彼女が何を言わせたいか分かってきた。
「やだよ。そんなのいまさら照れくさい …」
「何でよ?いいじゃない!そうなんでしょ?」
俺は返事の代わりに、舞の細い肩を抱き寄せ、顔を覗き込むように唇を寄せた。舞は眼をつぶり、軽く顎を上げて受け止めた。
あの日以来、何度となく身体を重ねた俺たちだったが、キスをしたのはこの時が初めてだった。
だが俺がそのまま、ブラウスのボタンを外しながら布団に押し倒そうとすると
「ちょっと!ごまかさないで!ちゃんと言って!」
と舞が抗議した。
それでも、ブラウスの前を開き、背中に手を回してブラのホックを外そうとすると、少し背中を持ち上げて協力してくれた。
3年前に比べ、ふた回りも大きくなった舞のおっぱい。勃起前からしっかりと乳首の形になっているそれを口に含み、太ももを撫で上げながらプリーツスカートの中に手を入れると
「あっ…んっ…ゆ、ゆうちゃ… 言って… あたしのこと… あっ!…んんっ…」
あとは夢中になり、あえぎ声しか出せなくなった。
両方のおっぱいを交互に嘗めながら、パンツを脱がし、大きく脚を広げさせた。思えば、舞をレイプした時以来、ヤる時はいつも蔵の6枚畳の上。布団の上でヤるのは初めてだった。
さすがに今日は舞も、ゴムを用意してなかったので、3年ぶりに生で挿れる。初めての時は食いちぎられるかと思うくらい、固く強く、俺を排除するように締め付けて来たが、今は柔らかく絡み付くように俺のチンポを迎え入れてくれる。
「これを…この身体を東京に持って帰っていいのか」
腰を振りながら、俺は村長に感謝したい気持ちでいっぱいになった。
それから1ヶ月後、俺と舞は村を出て、東京のお袋のアパートに転がり込んだ。着いた時、舞はお袋に
「不束者ですが、これから宜しくお願いします。お母さん」と深々と頭を下げた。それを見てお袋は、ずいぶん胸を撫で下ろしたようだった。俺が事前に電話で「村長の娘といい仲になったのがバレて、追い出されることになった」とだけ説明しておいたので、どんな奔放な我儘娘が来るかと心配していたのだそうだ。
舞は東京の普通高校に転入、俺は定時制に転入して近くの工場で働き始めた。村からもらった金はあったが、そんなものは贅沢をしていたらすぐになくなってしまう。俺の身勝手で戻ってきたのだから、お袋に金の苦労をさせるのだけは嫌だったからだ。
俺が定時制を卒業した後、俺達はお袋のアパートから出て、別のアパートでふたり暮らしを始めた。同棲だ。
舞は相変わらずツンデレなので、ふたりでいてもイチャイチャすることはないが、多分このまま行けば、いずれ入籍して夫婦になるのだろう。
俺は未だに、あのとき舞が言わせたがっていた言葉を言ってやってない。今さら照れ臭いというのもあるが、それを言ったら最後、ひろ姉や沙弥の処女を奪ったことも、あの汚い村への復讐なんかではなく、ただ自分の性欲を満たしただけのことになっちまいそうで、踏み切れないのだ。
だが、俺たちが村を出てからもう10年。住職は亡くなり、ひろ姉も沙弥も嫁に行ったと聞いた。さすがにもう時効なのかもしれない。
そろそろ、言ってやった方がいいのだろうか。
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