そして３月ひなたは卒業した。｢卒業おめでとう｣｢ありがとうございます｣と照れながら頭を下げた。｢後は入籍だけだけど…｣既に婚姻者の欄には２人のサインは書いてあったが、ひなたはまだ未成年だから保護者の同意が必要だった。｢行こうか｣と俺達２人で××園に向かった。園に着いた。事務所で園長の在宅を確認すると、職員が｢ちょっと待って下さい｣と言って奥に行き、オバサンが出て来た。俺達の顔を見て｢あっ!?｣と驚き｢奥にどうぞ｣と言って通された。｢ひなちゃん…久しぶりね…何年振りかしら？｣｢Ｃ１以来だから６年です｣と言った。俺は｢あの園長さんは？｣と尋ねると｢あの人は二年前に他界して、今私が園長をしています｣と言った。俺達は驚いた。｢ひなちゃん…こんな事言うのもおこがましいけど…あの人にお線香あげてくれる？｣と言った。ひなたは俺を見た。俺は頷いた。｢はい｣と言った。｢良かった…あの人喜ぶわ…あの人ね亡くなる前…ひなた達に悪い事した…ちゃんと謝りたいって言ってのよ｣と言った。
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