俺は沙希にタオルを何枚か濡らして来る様に言い、ひなたの肩を抱えてリビングに連れて行き椅子に座らせた。沙希はお湯で濡らしたタオルを持って来た。ひなたは自分の体を抱えて震えていた。俺はひなたの顔や頭を拭いてやった。そしてひなたの前に座り、改めて「何があった?」と聞いたが、ひなたは泣くだけで何も言わなかった。沙希に自分の部屋に行く様に言った。沙希は何か言いたそうだったが、大人しく指示に従った。俺はひなたの前から移動して横に座り直した。そしてひなたの背中をさすり「俺だけだから話してごらん」と言った。ひなたは顔を上げ俺を見ると抱きついてきて、ただ「ゴメンナサイ…ゴメンナサイ」と繰り返した。「大丈夫だから…怒ってないから」と言い落ち着かせた。俺は席を立ちキッチンに行き、温かいミルクを作りひなたに「落ち着くから」と言って飲ませた。またひなたの隣りに座った。少し沈黙した後、ひなたはようやく話し始めた。「あのね…文化祭終わって打ち上げに行ったの…」と語り始めた。
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