俺はベンチに座り通り過ぎる子供達を見ていた。そしてすずと同じ位の子供達に思いきって「〇〇涼って子知らない?6年生何だけど」と聞くと「おじさん何言ってんの?すずちゃんなら今年の最初の頃に死んじゃったよ?」と言った。「嘘っ!?」と言うと「ホントだよね」と1人が言い「何かね…そこのトイレで雨の日に通り魔に刺されたんだってママが言ってたよ」と言った。俺は頭の中が真っ白になった。子供達は「行こう」と言って立ち去った。俺は呆然としながらトイレに行った。裏手に枯れた花束があった。俺はそこに跪き傘を置き手を合わせた。何を言ったか覚えていなかった。家に帰り(あれは幽霊だったんだ)と思った。しかしこの手ですずを抱きしめた感覚が残っていた。それから俺は毎月すずと会った日になると、花を添え手を合わせる様になった。…完…
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