JCと子作りしませんか? 第二章16
午前中の仕事は終わり、久々に午後はオフになった。
だが、帰宅途中に打ち合わせが2件、恵比寿と西新宿をタクシーで回る。
家に辿り着いた時は、もう夕方であった。
週末から月曜に掛けて、大きな仕事は入っていない。
全て、プライベートで対応出来る案件だ。
そこで、例の会社からのメールである。
土、日、月の3連休に3回目のスケジュールを組んだという。
彼は、パートナーとなる女性のプロフィールを再確認する。
桜井美香 JC〇年生 H158 B82W57H81
特技 数学検定1級
特徴 IQ120超の才女
バージン 医療証明
今回の女性は、一度スケジュールの関係でキャンセルになった女の子である。
雄一郎は気が進まなかった。
過去、二人の娘が素晴らしい女性だったこともある。
性的な意味合いで、自身が大人として成熟出来たのも、彼女達のおかげで有ったと言っても過言ではない。
そして彼は、理屈で押し通して来る様な女性は余り得意ではなかった。
目的地は仙台市内。
新幹線での移動となる。
この後彼は、週末に向けて順調に仕事をこなして行った。
そして念願の金曜日午後になった。
午前中の仕事を終えて、晴れて自由の身である。
そこへ運悪く、古くからの悪友からスマホへメールが来た。
何と、この後女子3人との合コンに付き合えという。
彼は、いい歳して合コンも無いだろうと一度は断ったが、過去の借りをネタに参加しろと云う脅迫に負けた。
場所は六本木だと云う。
彼は、2時間近くも待たされて二人と合流した。
「よ~!藤田ぁ、 久しぶり」
と、声を掛けて来たのはヤツだ。
名を平田と言う。
こいつには何度煮え湯を飲まされて来たことか。
だが、それ以上に仕事上で幾度も助けて貰った憎めない男でもある。
もう一人の彼も何度か仕事で一緒になった。
皆、いわゆる業界人である。
さて、これからどうするのか?
「今日は、綺麗所を揃えたからよ!」
と、平田が威勢のいい言葉を言う。
こりゃ、今回も期待薄だなと思っていた。
だが今回は違った。
待合場所で出会った女子は、皆、美人揃いであった。
駅前で出会った6人は一旦パブに入った。
しかし、ビールをチョット飲んだだけで、それじゃぁまた、と言って二つのカップルは何処かへ行ってしまった。
やられた、と思ったが後の祭りであった。
残されたのは見知らぬ二人の男女である。
「あの、どうします?」
と彼は聞いた。
「すみません」
彼女は申し訳なさそうに笑った。
「取り敢えず、夕飯でも食べに行きますか?」
と誘うと、彼女は
「はい、お願いします」
と、笑顔で応えた。
店では、彼女に色々と質問をされた。
TV局の事、有名人の事、そして交際している女性の有無など、とそれなりに楽しい時間であったが、最後に結婚について聞かれた時は、正直困った。
彼自身、真剣に向き合って来なかったからである。
「あっ、ごめんなさい。失礼な事、聞いちゃいました?」
と、彼女は平謝りであったが、彼が片手を挙げて笑って制した。
その後彼は、タクシーで新宿駅まで彼女を送り、そのまま車で家路に就いた。
翌朝は雨であった。
正に今回の旅の行く末を暗示している様な空模様である。
彼は東京駅発10時の「はやぶさ」へ乗る様に指示を受けている。
途中、遅い朝食を駅中の店で摂って、指定の電車に乗った。
前回は大宮で美玲と合流したが、今回は現地での合流であった。
仙台までは1時間半の乗車で、あっという間に到着した。
待ち合わせ場所は駅の傍にある喫茶店を指定されている。
「まだ居ないようだな」
と彼は独り言を言って窓際の席に座った。
待ち合わせの時刻まであと20分程だ。
彼は昨日の夜を思い出していた。
「結婚かぁ~」
また独り言であった。
彼は、この計画で子供を儲けた後の事までは考えていなかった。
いや、敢えて考えない様に自分で思考を停止させていたのかもしれない。
だが、真剣に考えなければならない事ではある。
独りでの子育てには自身が無かったのだ。
すると、待ち合わせの時刻丁度に彼女が現れた。
ダークブルーのスーツでスカートの丈は短めだ。
黒のストッキングに黒のヒール。
そして、アップに纏めた髪に細い黒縁メガネを掛けている。
顔に幼さが残るが、どこから見ても普通のOLである。
その彼女が先に口を開いた。
「お待たせ致しました。 桜井美香と申します」
と言って名刺を出して、深く頭を下げる。
余りに丁寧な挨拶なので、彼も立ち上がって懐から名刺を出して、軽く会釈をした。
不思議な娘である。
予め抱いていたイメージとは全く違う様でいて、妙にその出で立ちがしっくりと来る。
全く掴みどころが無いのだ。
「さてと、 じゃぁ、 昼ご飯でも食べに行きますか?」
と、彼が聞くと
「わかりました。 契約の範囲内でお願いします」
と、返して来た。
これは面倒くさい事になったと、彼は悲観した。
その後、駅近くのレストランで食事をした二人は、タクシーで30分程の距離に在る、秋保温泉のホテルへと向かった。
結構、立派な和風のホテルである。
そして、そのホテルにチェックインして、仲居さんに案内されて部屋に入った。
そこは自然に囲まれた見晴らしの良い、居心地の良さそうな畳部屋であった。
彼女はそこで、改めて正座をして深々と頭を下げて、こう言った。
「あらためて、ご挨拶申し上げます」
「名を桜井美香と申します」
「至らぬ点も多々あるかと存じますが、ご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます」
そして、最後に
「私との性行為に関してですが、どうぞ、一切ご遠慮なさらずに、只の物として扱って頂ければ幸いでございます」
はっ?!
今何と?
彼女は面を上げて、無表情で座っていた。
続きます
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