JCと子作りしませんか?24
「彼女達の中から一名を、自由に選んで頂いて結構でございます。」
などと言われたが、そんな簡単な話ではない。
彼女達、そして彼女達の赤ちゃん全てに愛情を持っている。
選べる訳がない。
そんな、究極の選択など出来るわけがない。
私が暫く悩んでいると、彼女から一つ提案が出された。
「複数人と最後まで契約遂行をするという選択肢もございます」
なんだ、それを早く云ってくれと思った。
しかし、誰と誰を選べばいいんだ。
私は暫く考えに考え抜いた。
そして、決断した。
全ての子を引き取ると。
これには流石の担当嬢もびっくりしていた。
しかし直ぐに、こう伝えて来た。
「そうなりますと、一部の経費が3倍となりますが、いかが致しましょう?」
そりゃ、そうだ。
しかし金額の試算を見せて貰うと、頭がちょっとくらくらした。
これじゃあポルシェどころの騒ぎではない。
ランボのアヴェンタドールが買えそうだ。
私はコーヒーを飲みながら、天井をみていた。
しかし、いや、やはり決めた。
3人でいこうと。
担当嬢は
「分かりました。それでは契約書の改訂をしてまいります」
と言って、立ち上がり去り際に
「お幸せに!」
と言って、立ち去った。
あれから数か月、今、私の下には3人の赤ちゃんが居る。
そして、この子たちの面倒を見てくれているのが、あの、みくである。
彼女は家政婦として通ってくれている。
彼女の家は複雑だ。
DVの夫に出て行かれた母と二人で頑張って来たが、母が病気になって、今の仕事を始めたらしい。
今は母親も持ち直したらしいが、苦労を掛けたくないので進学を諦めたという。
落ち着いたら、通信制高校に行きたいらしい。
そういえば、沙耶は家を出て独り立ちしたいといっていた。
千尋は高卒認定試験を目指すそうだ。
隣で娘をあやしている、みくがいきなりこう言った。
「わたし、 しあわせです。 がんばります」
みく、君が頑張る必要はないよ。
頑張るのは、俺。
アヴェンタドールの足りない分を稼がないとね。
終わり
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