俺はバイトには自転車で行っていた。夜勤明けの帰り道にいつも美央達に会う。美央はいつも「アキラ君おはようっ…行って来るねぇっ」と言ってすれ違いざまにハイタッチを交わす。家の住宅には7人の小学生がいる。6が美央と和哉、5の女の子が1人、4の男女が2人、2の女の子と1の男の子。その他にCやK、それとYが何人か居る事も分かったが、どこの部屋に住んでいるかは知らなかった。和哉はあの日以来俺を見ると、挨拶もせずビビる様に歩道の端に寄り、通り過ぎるまで動かず目も合わせなかった。美央とハイタッチを交わしていると、その内和哉以外の子達ともハイタッチする様になった。低学年の子達から「ハイタッチのオジサン」と呼ばれる様になった。…そして暫く経ったある日、学校が終わるといつもの様に美央は家に来たが、その様子がいつもと違った。「アキラ君…ちょっといい?」と言われ、俺の部屋に入った。「どうした?…何かあったのか?」と聞くと「あのね…」と言って美央は黙った。
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