「だっ大丈夫?」と俺はどもりながら聞くと、千葉(かずは)は「あっ…うん…大丈夫」と自分の体を確認しながら言った。俺は体を起こすと腕に痛みが走った。「痛っ!?」と言って左腕を見ると肘の辺りから血が出ていた。倒れた時に岩にぶつけたらしい。「あっ?血が出てるっ」と千葉は言い「見せてっ」と言って俺の腕を触った。「ゴメン…私のせいで…」と済まなそうに言った。「この位大丈夫だよ」と言って千葉を見た。「ダメだよ…手当てしないと」と今にも泣きそうな顔をした。その顔にドキッとした俺は、次の瞬間千葉の唇を奪っていた。千葉はビクっとしたが抵抗はせず受け入れた。蝉の声が聞こえていた。するとガサガサっと誰かが来る音がして、俺達は我に返り離れた。紫織が「何してんの?飛び込まないの?」と言いながら現れた。千葉が「あっうん…オバチャンが蜂に驚いて、アキラに怪我させちゃったから…」と言うと「アキラ…怪我したん?」と大袈裟に言った。「あっ?ホントだっお母さん呼んでくる?」と言った。
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