『イッたのか?ミズキちゃん 一人で? 女の子が先にイッた時は…どうしたらいいんだ?』
以前ショウが、こんな場合のことを話していたのを思い出した。
女の子はイッたあと、性感帯がすごく敏感になり、強く刺激されても痛みしか感じなくなる。そんな時はなだめるように、緩く愛撫してやるのがいい、と。
俺はミズキちゃんの隣に横になり、まだ肩で息をしている彼女の胸の膨らみを、稜線に沿って、触れるか触れないかくらいのタッチで撫でてやった。
そうしながらも、俺は焦っていた。
『もう、挿れてもいいのか?それともまだ…落ち着いたらまたクンニからやり直して…?』
サトシちゃんと絶交するまでは、こんなときはいつも、サトシちゃんが教えてくれた。
同い年だったが、サトシちゃんはいつでも俺のアニキで、いいことも悪いことも、俺が迷ったとき、困ったときは、導いてくれた。
『今ここにサトシちゃんがいてくれたら…』
冷静に考えればたとえ絶交していなくても、恋人との初体験の現場に親友が立ち会うことなどあり得ないことなのだが。
するとミズキちゃんが、
「ん… もういいみたい。」
と言ってくれた。
こんな場面でまで、年下の中学生にリードされるのは堪らなく恥ずかしかったが、正直、この言葉に助けられた。
「本当にいいのか?」
「ん…」
「すごく痛ぇかもしれねぇぞ?」
「だいじょぶだから、途中で止めたりしないでね…」
「ああ…」
ミズキちゃんの脚の間に膝をついて座り、両足を自分の太ももに抱え上げた。
痛いほど勃起したチンポの先端でワレメを押し開くと、ヌルッ と温かい液がまとわり付き、背中がゾクゾクした。
膣口の位置は、クンニしながら確かめておいた。想像していたのよりずっとしたの方。尻穴のすぐ近くだ。
腰を落として先端を膣口に当て、押し込むと、とたんにミズキちゃんの顔が苦痛に歪んだ。
『やっぱり…痛いのか?』
だがミズキちゃんは、途中で止めないでと言った。
思いきって更に付き入れると、半分くらいがミズキちゃんの体内に埋まり、彼女は堪らず
「くぅっ…」
と小さく呻いた。背中も軽くのけ反らせている。
「やっぱり…まだ無理なんじゃねぇのか?」
するとミズキちゃんは首を上げて俺を見て
「だ、だいじょぶだから、最後までしよ?ゴメンね、痛い顔しちゃって…」
精一杯の作り笑顔で微笑んだ。
こんなに辛い思いをしながら、俺との初めてをやり遂げようとする彼女の気持ちに胸が熱くなった。
しかし一方で俺はミズキちゃんの苦しむ姿を見たくなかった。
それは、仲間と一緒に彼女を輪姦しようとしたことへの罪悪感から来ているのかも知れなかった。
迷いながらもゆっくりと腰を動かす俺。苦悶の表情を俺に見せまいと、顔を俺の胸に埋め、必死に背中にしがみついて来るミズキちゃん。
だが幸いなことにそうしている内に、俺のチンポに強烈な射精感が来て、獣性に火が付いた。
俺を温かく抱き締めてくれているミズキちゃんの膣の中で射精したい。
その事しか考えられなくなった。
夢中で何度も腰を打ち付ける。
当然彼女の苦痛は今まで以上になり、痛いほどしがみつく腕に更に力がこもった。
そして…
何度目かの突撃のあと、ふいに壁が消えたように遮るものがなくなり、ズルッ と一気に奥まで入り…
同時に激しく射精してしまった。
俺が動かなくなったので
「終わったの?」
とミズキちゃんが聞いた。
「うん…」
「全部入った?」
「ああ… やべぇ、中で出しちまった」
俺がようやくそのことに思い付いて慌てて言うと、ミズキちゃんは微笑み
「…今日は大丈夫な日だから多分平気。でも、次からは避妊しなくちゃね」
と言った。
その頃の俺には、女の子に大丈夫な日とそうじゃない日があることさえ知らなかったが、彼女にそう言われてひとまず胸を撫で下ろした。
と同時に「次から」があることの幸せが、胸に沁みてきた。
それから俺たちは、一緒にシャワーを浴びてから、ふたりとも裸でミズキちゃんのベッドに潜り込み、ひとこともしゃべらず、初体験の余韻に浸った。
そうしている内に夕方になり、彼女の母親が帰ってきた。
俺たちは慌てて服を着てリビングへ出て行き、俺はここ何年かやったことがないほど、行儀よく、愛想よく挨拶をしてみせた。
「素敵な男の子ね」,
ミズキちゃんの母親は俺を褒めてくれ、夕食を食べて行くよう熱心に勧めたてくれたが、あまり長くとどまるとボロが出そうだったので、丁寧に断って家に帰った。
その後、俺たちは会うたびに身体を重ねあい、ミズキちゃんも次第に挿入で感じらるようになって行った。
俺たちはセックスを楽しみながら、どんどん距離を縮めて行き、お互いになくてはならない存在となった。
そして今。
初めて彼女が俺の家に来た日さながらに、俺とミズキちゃん、俺の両親とで、毎日テーブルを囲んでいる。
もうすぐ子供も産まれ、5人家族になる。
文句のつけようがない程幸福で、穏やかな日々。
だが、俺の心の中には、どうしても拭い切れないわだかまりが残っている。
ミズキを輪姦しようとしたことではない。
その前に、仲間と一緒に何人もの女子高生をレイプしてしまったことだ。
見張り役だったが、その頃俺は、彼女たちに対してほとんど罪悪感を感じていなかった。
「初めてでもねぇくせに、ギャアギャア騒ぎやがって」
「減るもんでもねぇだろうに、何を勿体つけてるんだか」
そんな仲間たちの身勝手な言葉に、特に違和感もなく同調していた俺。
だがミズキちゃんと何度もセックスをし、付き合いが長くなる内に、女にとってレイプされることがどんなことなのか、分かってきた。
処女だろうとヤリマンだろうと、仮に援交しまくってるやつでも、必ず相手の男を見て、許すかどうかを決めている。
それが、そんな機会も与えられず、見ず知らずの男に有無を言わせず身体の中心を抉られる。
男の俺には、同じような経験をする場面を想像できないが、もしそんな目にあったら、とても正気ではいられないだろう。
俺は被害者達に謝りたくなった。
しかし実際には、仮に彼女らを探し出すことができたとしても、いまさら、しかも俺なんかに謝られても迷惑なだけだろう。
そんな嫌な過去は忘れて、今の生活を楽しんでいるかもしれない。
償うことさえできない過去…
だが最近俺は、人生には『代わり』があるのだと思うようになった。
親に孝行できなかった代わりに、自分の子に尽くす。
早くに亡くなった友達や恋人の代わりに、精一杯生きる。
世間ではそんな風に言うこともあるようだが、ならば俺は、彼女達に償う代わりにミズキを、そして生まれてくる子供を、精一杯大切にしようと思う。
今俺にできるのは、それくらいしかないのだ。
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