俺たちは恋人としてつきあいはじめた。
ミズキちゃんが高校生になったら、処女をもらう約束だった。だが結局俺たちは、その約束を守ることができなかった。
つきあって1ヵ月もすると、今度は俺が、ミズキちゃんの家に行ってみたくなった。
新しい展開を求めていた訳じゃない。不安だったんだ。
ミズキちゃんの家族にとって俺は、裏切ったとはいえ、娘を拉致して輪姦しようとしたグループの、元メンバーだ。
そんなのと娘が恋人になって、歓迎する親がいるとは思えない。
だがミズキちゃんにそれを言っても『両親にもちゃんと話しているが、特に反対されてはいない』と言うばかり。本当だろうか?
もし俺が親に挨拶したいと言って、受け入れてもらえたら、ミズキちゃんの言葉を信じられる。そう考えていた。
ある日俺が彼女にそう言うと、少し戸惑った様子だったが
「じゃあ、お母さんに都合を聞いてみるね」
と笑顔で言った。
その次の日曜日、俺はミズキちゃんの家に呼ばれた。
服装に気を配り、かなり緊張して、その日を迎えた。
ところが、いざ彼女の家に行くと、両親とも留守だと言う。
「やっぱり、俺なんかとは顔を合わせたくないってことか…」
俺が言うと彼女は微笑んで首を横に振り
「お父さんは仕事で、お母さんは…『私がいたら二人でゆっくりできないでしょ?』って。遠慮したみたい。お茶とケーキ、用意しておいてくれたから…」
お茶だけならともかく、ケーキまで用意してくれたなら、それほど疎んじられている訳でもなさそうだ。俺の不安は少し解消された。
ミズキちゃんの部屋は、スポーツ少女らしくよけいな飾りとかは少く、さっぱりしていて、壁に大きなプロバスケ選手のポスターが貼ってあった。
いつもは二人きりになると、ミズキちゃんの方からあれこれ話題を振ってくれるが、この日はなせが言葉少なで、俺が話しかけても
「うん」とか「そうだね」とか短く答えるだけ。しまいには掛ける言葉がなくなり、二人して黙りこんでしまった。
「どうした?」
俺が尋ねると、ミズキちゃんは決心したようにスッと立ち上がり、ベッドの上に仰向けに横になった。
「具合でも悪いのか?」
俺が聞くと、右腕で顔を隠したまま横に振り、左手を自分の胸に当て…
「 …この前、ジュンさんにここをしてもらって…恥ずかしいけど、結構きもちくなっちゃって… 」
俺は急にドキドキしてきた。
「…家に帰ってからも、思い出す度に切なくて…だから、もう…」
いくら童貞で、女の子と付き合った事がない俺でも、ここまでハッキリ言われれば、『誘われてる』ということがわかる。
だが頭では分かっても、気持ちがついて行かなかった。
それでも、好きな女の子がその気になっているなら、『やめよう』なんて言える訳がない。
俺はゆっくりベッドの上に登り、ミズキちゃんの顔を覗き込んで、
「いいのか?」
と聞いた。
ミズキちゃんはコクンと頷いた。
「…約束は?」
と聞くと、ゆっくり首を振った。
俺は震える手で、彼女のシャツのボタンを外しはじめた。
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