それまでに俺たちが襲ったのは、ヤンキーのJKばかりだったが、それでも中にはレイプされると分かると、泣きながら赦しを請う女や、そこにはいない彼氏の名を叫び、助けを求める女もいた。
だがサトシちゃんたちは、非常にも彼女らの訴えに耳を貸さず、拘束し、脱がし、4人係りで全身を愛撫した。そして順番に挿入し、腰を振った。
俺は女たちを犯したことも、身体に触れたこともなかったが、その光景を見て、助けるどころか興奮して股間を熱くし、家に帰ってからはそれを思い出してオナニーにふけっていたのだ。
だが結局俺は、自分が仲間たちとしてきたことを、ミズキちゃんに言うことができなかった。
やっぱり好きだから、思い切り軽蔑されるのは辛い。
俺が黙り込んでしまうと、沈黙が続いた。
俺はそれに堪えかねて
「俺にメールなんかしたって、返事しないかも知れねぇぞ」
と断ってから、携帯にメアドを表示させてミズキちゃんに渡した。
彼女はそれを嬉しそうに、自分の携帯に登録した。
その夜から、彼女とのメールのやり取りが始まった。
彼女の方は何の屈託もなく、その日あったことや、友達との面白かった話を書いて送ってきた。俺のこともあれこれ聞いてきた。
それに返事を返すうちに、頑なだった俺の心も少しずつほぐれて行き、また、彼女のことをより身近に感じるようになって行った。
デートから2週間後、サトシちゃんたちの停学が明け、学校に戻ってきた。
俺は意を決して、放課後、溜まり場へ行き、仲間の前で土下座をした。
するとサトシちゃんは
「ジュンはもう、俺たちとは違う生き方を選んじまったようだ。残念だがこれで、縁切りだ!」
と言って、1発だけ俺を殴った。
不良グループから足を洗うのだから、フクロになっても、もっとキツい制裁を受けても文句は言えなかったが、サトシちゃんが仲間を抑えてくれた。
その日の夕方、俺はミズキちゃんを呼び出し、サトシちゃんのバンチで腫れ上がった顔を見せた。
「グループから、はずされちまった。他にダチもいねぇし、これで完全に孤立だな」
俺が笑うと、ミズキちゃんは
「…でも、私はうれしいです。ジュンさんのお友だちでも、やっぱりあの人たち、怖いから…」
ミズキちゃんの言うことは当然だ。だがそれでも俺は、辛かった。
「私が…ずっとジュンさんのそばにいるから…」
ミズキちゃんはそう言って、俺を手を握ってくれた。
サトシちゃんたちから離れると、俺は元々、飲酒や喫煙、ましてやカツアゲやケンカなんか、積極的にやる方じゃなかった。
そうした、不良がやるようなことをしなくなり、授業もサボらず出るようになり…次第に普通の高校生になって行った。
仲間と離れた淋しさを埋めるように、俺はミズキちゃんと毎週のようにデートし、頻繁にメールのやり取りをした。
最初のきっかけは助けたことへのお礼でも、何回もデートを重ね、楽しく過ごす内に、『ミズキちゃんの方も、俺に気があるんじゃ?』と思えてくる。
だが俺は、薄汚れた自分に比べ、どこまでもピュアで素直なミズキちゃんが眩しくて、不釣り合いに思えて、告白ができなかった。
そんなある日、ミズキちゃんがメールの中でふいに、俺の家に行ってみたいと言い出した。
今思えば彼女は、俺にコクらせたかったのかもしれない。だが俺は煮え切らない。それで、もっと距離を縮めようと、このことを思い付いたのだろう。
当時の俺は、彼女が何を考えているか分からなかったが、断る理由もない。
家に帰り、オフクロに、次の日曜に女の友達を家に呼びたいと言うと、オフクロは急にはしゃぎ出し、ミズキちゃんのことを色々と聞きたがった。
そして日曜日。
家の近所で彼女と待ち合わせし、家まで連れてくると、オフクロは見たこともないようなハイテンションで出迎えた。
テーブルに着き、お茶が出されても、オフクロは一人でしゃべり続け、ミズキちゃんにあれこれ質問を浴びせかけるので、俺たちは堪らず俺のの部屋に避難した。
「…なんなんだ、あれは?いつもはあんなんじゃねぇんだけど…」
「ふふ…でもよかった。歓迎してもらえたみたい。」
ミズキちゃんは微笑んだ。
部屋で少し話して、それから何か飲み物があった方がいいと思いつき、メールでオフクロに頼んだ。
ところが、準備ができた頃下へ降りて行ってみると、オフクロがキッチで、肩を震わせて泣いていた。
「なんだよ?どうした?」
俺が声を掛けると
「だってあんたが…あんな素敵なお嬢さんを家に連れてくるなんて…」
「なんだ、そんなことか?まあ、確かにいい子だよな…」
「よくここまで立ち直ってくれて…」
オフクロの涙の訳が分かると、俺は猛烈に照れ臭くなり、
「俺は別に、ダメになっても、立ち直ってもいねぇ!」
と意気がって見せたが、さすがにこれには目頭が熱くなった。
ジュースを持って2階へ上がると、俺の声が聞こえたのか、ミズキちゃんが心配そうな顔をしていた。
「オフクロのやつ、泣いてやがった…」
「えっ?なんで?」
「ミズキちゃんがあんまり素直ないい子なんで、感動したらしい」
「やだそんな…私そんな、優等生じゃないよ」
「んなことねえだろ?俺なんかに比べりゃ…」
するとミズキちゃんは微笑んで首を横に振り、
「ほんとだよ。他の人、羨んだり、キライだと嫌な態度取ったり、あと、エッチなこと考えちゃったりとか…」
バカな俺は、彼女の最後の言葉にひどく反応してしまった。
『ミズキちゃんが、エッチな想像を?そんなことが…男に抱かれるシーンとかか?だったら相手は…俺か?』
俺の妄想が暴走し始めた頃、タイミング悪く、オフクロが下から俺を呼ぶ声が聞こえた。
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