それは、金曜日の夜だった。
その週は月曜から、ずっと仕事が立て込んでいて、毎日残業続き。帰宅すると重い体を引きずって、食事を済ませ、風呂に入ると、泥のように眠るだけ。
それでもまゆは、文句も言わず、一緒にベッドに入ると僕の胸に顔を埋めて静かに眠った。
どんなに疲れていても、まゆと抱き合うとよく眠れ、翌朝には疲れが取れていた。
それでも金曜日の終業時には疲れてヘロヘロだった。
生命の危機に陥ると、生存本能で性欲が高まる などと言うと大袈裟たが、僕の場合、極端に疲れると、やりたくて仕方がなくなることがある。
その時はその状態だった。
帰宅するとまゆか食事の用意をして待っていてくれた。風呂も沸かしてあった。
そんな風に僕を気づかってくれるまゆが愛しくて堪らなくなり、一刻も早く抱きたい気持ちになった。
先に風呂に入り、寝室でまゆが上がってくるのを待つ。
部屋に入ってくるとすぐ、ベッドに寝かせ、パジャマの前を開けた。
「あ… ゆうさん、疲れてるでしょ?無理しなくても…」
まゆは、僕が彼女に気をつかっているのだと思ったらしい。
「そうじゃない…いま、すごく…したいんだ」
この言葉でまゆも、覚悟を決めたらしい。
今夜なのだ…と。
焦る気持ちを抑えて、貪るようにまゆの全身を愛撫する。
いつもは乳首とクリ中心だが、その時はキスから始まり耳の後ろ、首筋、鎖骨、乳房の周りからへそ、脇腹へと、すべての性感帯を丁寧に嘗めた。その結果、唇がワレメにたどり着いた時には、すでにそこはすっかり濡れそぼっていた。
そこを更に、激しいクンニで責めると、まゆはあとひといきでイクところまで登り詰めた。
そこで、ワレメから口を離し、開かせた脚の間をヘビのように這い上がり、挿入の体制を取った。
「……いれるの?」
「ああ、やってみるよ。すごく痛かったら言って。すぐ止めるから」
口ではそう言ったが、この日だけは僕は、まゆが痛がっても、やめてあげる自信がなかった。
先端で閉じた襞を押し開き、膣口を探る。先端が円に触れた所で、ぐっと押し込むと…
丹念に拡張してきた甲斐あって、一気に3分の1まで呑み込まれた。
しかし、まゆの苦痛は半端ではなかったらしく、
「ぐっ…」
と低く呻き、僕の背中に手を回してしがみついてきた。
「痛かった?」
まゆは夢中で激しく首を横に振った。
『大丈夫』と声に出して言う余裕すらないのだろう。
さらにもう少し、体重を掛けて押し込むと、極端に狭いところに差し掛かり、それ以上進まなくなった。
『これ以上押し込むと、まゆにもっと負担がかかるな。ここでやめようか…』
僕がそこで止まったまま迷っていると、まゆが
「全部入った?」
と聞いてきた。
「うん…」
するとまゆは、手を伸ばして接合部を触って来た。
僕の返事にあいまいな響きがあったので、疑わしく思ったのだろう。
「…まだ残ってる。ゆうさん、大丈夫だから、最後までちゃんとして!」
「ごめん…わかった…」
だが、まゆのお尻を抱き寄せ、腰を突き出しても、進まない。
仕方なく僕は、ピストン運動で、壁に突撃を繰り返した。
まゆは苦悶の声が漏れないように、夢中で顔を僕の胸に押し付け、突撃の度に僕の背中にまわした腕に力を込めた。
『早く終わりにしてやらなくちゃ…』
僕は焦りながら、ひたすら腰を振った。すると…
いきなりすっと、壁が消え失せたように遮るものがなくなり、先端がまゆの子宮口とキスをした。
と同時に、根元をゴムのように締め付けていたものが弛み、僕は子宮の中に激しく射精してしまった。
「…奥まで入ったの?」
「うん。」
「…射精、した?」
「ごめん いっぱい出しちゃったみたいだ」
「やったあ…これでまゆは、ゆうさんのお嫁さんだね…」
まゆは震える声でそう言うと、肩を震わせて泣き始めた。
思えば、まゆがこの家に来てから、僕の前で泣いたのは、この時が初めてだった。
「そうだね。今日から僕たちは、夫婦だ。」
僕も雰囲気に酔って、大人げなくそんなことを言ってしまった。
まゆと本当に夫婦になれるまで、一緒にいられる保証など、どこにもないというのに…
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