パーティーが始まった。「こんな事して貰って幸せ者ね…お父さん」「そうだな」と何回も言っていた。「あ~っ美味かった…こんないい酒は久しぶりだっ」「ホントねぇ…この唐揚げ柔らかくて美味しいわぁ…」「それおじさんが作ったんだよっ!」「へぇ小太郎君が?大したもんだっ」「はい…得意なんです」「こっちのポテサラは私とママっ」「美味しいわぁ…早苗さんレシピ教えて」等の会話をしながら和やかにパーティーは進んだ。そして終わりの頃マリが2人にそれぞれプレゼントを渡した。じいさんにはデニム生地のハンチング帽、ばあさんには花柄のスカーフ。2人は喜んでいた。パーティーもお開きになり、2人は「ありがとう」とお礼を言って部屋に戻った。じいさんは足元がおぼつかなかったので、俺が肩を貸し連れて行った。…それから何日か過ぎ2人は息子夫婦に連れられアパートを出て行った。2人はプレゼントした帽子とスカーフを身に着け、優しく素敵な笑顔で去って行った。俺はあんな風に歳を取りたいと心から思った。マリも早苗さんも涙ぐんでいた。
※元投稿はこちら >>