「くるし…」
さやたんの言葉に僕はようやく我に返り、同時に猛烈に恥ずかしくなった。
あわてて手を離し
「ご、ごめん!初めて会うのに…こんな…」
「ふふっ やっと会えたね。行こ?」
さやたんは僕の手を取ると、スタバへ連れていってくれた。
そこで僕たちは、いろんな話をした。
ラインで聞きそびれてたこと。
最近あった面白かったこと話。
そして、彼女が連絡をくれなかった間、何を考えていたのか。
いくら話しても尽きない。ずっとそうしていたかったが、彼女は中学生。門限も厳しいだろう。そろそろ送って行かなくちゃ…そう思い始めた頃、さやたんが
「ねえ、ミーのアパートってどんな部屋?」と聞いてきた。
「そうだな。 まだ割と新しいけど、すごく狭いよ。ベッドに座ると反対側の壁に手が届きそうだよ。」
僕が少し大袈裟に言うと
「へぇ すごいね。見てみたいな。ね、このあと連れてってくれる?」
僕は急にドキドキしてきた。
あの狭い部屋で、さやたんと二人切り…
「来てほしいけど、今まだ荷ほどきもしてなくて… じゃあ、次の日曜またここで待ち合わせして、そのあと来てくれるかな?」
その日は、彼女の家の近くまで送って行って、別れた。
日曜日、約束どおりさやたんはアパートに来てくれた。
ワンルームの中を見るのは初めてだったらしく、珍しそうにあちこち開けてまわったりしていたが、狭いのでそれもすぐに終わってしまう。
さやたんは僕が何も言わないうちに、ベッドに腰かけた。
僕は迷った。
この部屋には椅子はない。
ベッドにさやたんと並んで座るのでなければ、カーペットの上であぐらをかくしかない。
僕がオロオロしてると、さやたんは悪戯っぽい笑顔で僕を見上げ、ベッドの自分が座ってる所のすぐ横に手を置いた。
『ここに座って』って意味だ。
それでも僕は遠慮して、少し隙間を開けて座った。
するとさやたんは、お尻をずらして僕にぴたっとくっついて、もたれ掛かって来た。
その日僕は、彼女をアパートに招いたけど、だからといってエッチな展開なんて、全く… いや、それほど、期待してなかった。
女の子とまともに付き合うのも初めてだったし、まして相手は中学生。どこまでしていいものやら見当も付かなかったのだ。
だからこの日も、こんな風に彼女の方から誘ってくれなかったら、ただ楽しくお話をして、時間になったら送って行って、それだけだったかも知れない。
僕が肩に手を回して抱き寄せると、さやたんは目を瞑り、僕に向かってに軽く顎を上げて見せた。
『これは… チューして か?チューしてでいいのか?』
展開の早さに頭がついていかない。けど、グズグズしている訳には行かない。
そっと唇に触れてみるが、あまりの柔らかさに一瞬、僕の方がビクッとなった。
チュッとして、すぐに離れようと思ったのに、離れられない。そのまま何度も貪るように、激しいキスを繰り返すうちに、二人ともベッドに倒れ込んでしまった。
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