愛は肩を落として帰って行く母親を見えなくなるまで睨んでいた。「ホントにいいのか?」「いいの…あんな人にお参りして貰いたくない…」そう言った愛の横顔は少し寂しそうだった。俺は翌日仕事を休んで内緒で愛の母親のアパートに行った。呼び鈴を鳴らすと「は~い」と言って母親がドアを開けた。俺の顔を見て「あっ!?昨日愛と一緒に居た…どうぞ」と言って中へ招き入れた。部屋の中を見回す。物が少なく綺麗に片付いている。母親はお茶を出して座った。「あの…今日は何か?」と聞いた。「あの…彼氏さんは?」「あの人とは別れました…」「そうなんですか…」「で、話しは?」「…娘さんは今俺と一緒に住んでます…ゆくゆくはあの子を妻にするつもりです」「そうですか…あの子今幸せに暮らしてるんですね?」「はい…出会った頃とはまるで別人です」「そうですか…私はあの子を傷付ける酷い事をしました…とても償いきれる物ではありません…でもあの時はあの人に逆らったら生きていけなかった…だから私はあの子を怨む事で…」
※元投稿はこちら >>