計画決行の日
僕はいつもどおり、駅のホームで美咲ちゃんのすぐ後に並んだ。
電車が到着するまでに、僕たちの後ろには長い列ができた。
ドアが開く。いつもは、美咲ちゃんの後にくっついて反対側のドアまで進むのだが、その日は彼女を追い越すように、左側に並び、後ろから来る人たちに押されるフリをして、強引に彼女を、トイレのドアの前の狭い通路に押し込んだ。
「あ…」
美咲ちゃんは、小さく戸惑いの声を上げたが、大して抵抗もしなかったので、僕たちふたりは後ろからの波に押されて、トイレの前まで流されて行った。
そこで止まると、今度はその狭い通路を定位置にしているサラリーマンや学生が押し寄せて来たので、僕は壁ドンをして、美咲ちゃんが潰されないように庇ってあげた。
乗り込みの混乱が収まってくると、さすがにこの距離で向かい合わせは恥ずかしかったのか、彼女は身をよじって僕に背中を向けた。
僕は、痴漢師になって初めて、JCの背中に貼り付く体制になった。
お尻がこっちを向いたので、遠慮なくスカートを捲り上げ、真っ直ぐショーツを目指した。
いつもと手が逆だが、そこは勝手知ったるスカートの中、見なくても何がどの辺りにあるか、すぐに分かった。
いつもはショーツ越しにお尻のワレメなぞりから始めるのだが、その日は迷わずショーツの裾、パンティーラインと呼ばれる部分に取り付き、そこから中に人差し指を潜り込ませ、後ろの布をずり下げて尻たぶを露出させた。
それから、下りてきたウエストのゴムを掴み、ショーツを膝のあたりまで一気にずり下げた。
人前でいきなり下着を脱がされ、彼女は慌てて履き直そうとしたが、狭い所に押し込められている上に、屈もうとすると僕が邪魔をするので、間もなく諦めたようだった。
裸のアソコを、尻穴の辺りから前の、クリトリスのちょい下辺りまで、繰り返し撫でてやると、そこはあっという間にびしょ濡れになり、愛液が滴って太ももの内側を伝い、膝の内側まで垂れてきた。
美咲ちゃんの耳たぶが紅く染まり、呼吸が荒くなってきたタイミングで、僕は初めて彼女に話しかけた。
「パンツ、脱げちゃったね」
「……」
「後ろのオジサン達にも、見てもらおうか?」
僕が彼女の真後ろから、少し身体を横にズラしながら言うと、彼女は慌てて大きく首を横に振った。
「じゃあ…前のドア開くから、中で履き直そうか?」
美咲ちゃんは顔を上げ、初めて気がついたように、自分の目の前のトイレのドアを見た。
聡明な彼女は、この時の僕のことばのニュアンスに気づいていたはずだ。僕は、トイレの中でショーツを(ひとりで)履き直すかい?と聞いたのではなく、トイレの中で(ふたりで)履き直そうか?と言ったのだ。一緒に個室に入れば、下着を脱がされていることを他の乗客に知られずに済む代わりに、今まで以上にエッチな行為が始まるに決まっている。
彼女はしばらくためらっていたが、やがて、コクンと頷いてくれた。
さあ、ここからが正念場だ。ショーツを周りの乗客からも分かる所まで下ろしてしまえば、彼女がそのことが周囲に露見するより、僕と一緒に個室に逃げ込む方を選ぶのは、想定内だった。あとはいかに、周りに怪しまれず、ふたり一緒にトイレに入れるかだ。
僕は、家で何度も練習した芝居を始める前に、『僕は美咲の兄。年の離れた兄だ。』と何度も自分に信じ込ませた。
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