美咲ちゃんの悲鳴はかなりの大声だったので、走る電車の轟音、分厚いトイレの扉の中、というシチュエーションでなかったら、すぐに外にいるオジサン達に通報されていたに違いない。
僕は慌てて美咲ちゃんの首の後ろを押さえ、キスで唇を塞いだ。
こんなことをしても、当然彼女はキスを嫌がって顔をそむけ、また叫ぶだろうと覚悟していた。
だが、意外にも彼女は、一瞬驚いて固まったあと、軽く顎を上げるようにして僕の唇を受け止め、僕の胸板に置いていた両手を、ゆっくりと背中に回し、しがみついてきた。
『まさか… OKなのか?』
全く訳が分からなかったが、とりあえず抵抗されたり、叫ばれたりしないのなら、続けるしかない。
美咲ちゃんの左膝を抱えあげた右手を、膝の下をくぐらせ、ペニスの根元を掴んで位置を調節すると、先端でワレメの中を探索し、小さな膣穴を見つけると、そこをめがけて突き上げた。
「くっ… くうっ…」
美咲ちゃんは口の中で呻き、しがみつく腕にさらに力を込めた。
挿入が進むと、経験したことのない締め付けが、僕を襲った。まるで膣そのものが、侵入者を嫌って、押し返そうとしているかのようだった。だが皮肉なことに、美咲ちゃんの膣が僕を追い出そうとすればするほど、一層激しい快感が来て、押し込もうとする腰に力がこもる。
立位で、真下から突き上げて来る僕のペニスから逃げるように、美咲ちゃんはどんどん爪先立ちになって行ったが、電車がカーブに差し掛かった所で大きく揺れた時、よろけてガクッとなり、その拍子に一気に一番奥まで届いた。
「くっ!くうーっ!」
唇は重ねたまま、ひときわ大きく呻くと、しがみつく手がブルブルと震えた。
「やったね!全部入ったよ!僕たち、ひとつになれたよ!」
こんなことをした以上、美咲ちゃんと会うのも多分今日が最後だろう。ならば、気を遣っても仕方ない。そう思った僕は、こんな自分勝手なことを言った。
どうせ最初で最後なら、思う存分彼女の膣内の熱さと狭さを味わって… と思っていたのに、大学時代の彼女と別れてからずっとセックスしてなかったこともあり、驚くほどあっと言う間に射精感が来て、実にあっけなく、彼女の中で果ててしまった。
僕が小さくなったペニスを引き抜き、血と愛液と精液でベトベトになったアソコをティッシュで拭ってあげる間、美咲ちゃんはずっと声を殺してしゃくりあげていた。
「ありがと。すごく気持ちよかったよ。」
僕がそう言っても、もちろん返事はない。
右足首に引っかかったままになっていたショーツを履かせてやりながら
「このあと学校行ける?」
と聞くと、ようやく
「今日は帰ります」
と、消え入るような声で答えた。
次の駅は、サラリーマン達があらかた降りるところだった。電車が止まり、トイレの前のオジサン達が出口へ向かったタイミングで、僕たちはトイレから出て、連結を通って隣の車両へ移り、発車ギリギリにホームへ降りた。
そこで別れようとも思ったが、このままひとりで逆向きの電車に乗せるのも心配だったので、着いてゆくことにした。
美咲ちゃんの肩を抱えるようにして、反対側のホームまで連れてゆき、電車に乗せた。
空いている車両の座席に並んで座った僕たちは、美咲ちゃんの降りる駅に着くまで、ずっと無言だった。
駅に着き、一緒に降りると、改札まで見送った。
改札前で僕が立ち止まると、美咲ちゃんは見送りの礼に、ペコリと頭を下げると、少しフラつく足取りで、家へ帰って行った。
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