ゆうは、なんとか堪えて身体を立て直し、ボクサーみたいに顔を両腕でガードした。
私はそのガードの上から彼を殴り続けた。
こんな体制にまでなった以上、最終的には彼の愛撫を受け入れるしかないだろう。でも、この村の他の女みたいに、男の暴力や圧力に怯み、抵抗もしないで思うままにされるのはイヤだった。たとえ相手が、ずっと好きだった男の子でも。
でもすぐに撃ち疲れ、ゆうに両手首を捕まれ、バンザイの格好をさせられた。そして、半袖の体操着の上から、胸への愛撫。
私はその時「やあっ!いやああっ!」と叫んだ。でも、本当に彼に愛撫されるのがいやだった訳ではない。ただ、たまらなく恥ずかしく、怖かったのだ。
胸が膨らみ始めてから、私は親にも身体を触られたことがなかった。東京に住んでいれば、中2にもなれば、バスや電車で男にちょっと胸を触られるくらい普通かも知れないが、田舎なのでそれもなかったし、ましてゆうには小2の時以来手を握らせたこともなかった。
その日お寺に来ると決めた時から、こうなることは覚悟していたのだが、いくら覚悟していても、怖いものは怖い。
私は怖さを紛らわすため、必死にもがいてゆうの手を振りほどこうとした。だが、私が暴れている内は、彼は私の体操着やスポブラを捲ることができず、次の段階へ進めない。
どうするだろうと見ていると、なんと、口を使って器用に捲り上げ始めた。
間もなく体操着は首元まで捲られ、ブラに包まれた胸が露出した。
この段階で私は「ねえゆうちゃん、やめよ?こんなこと、ダメだよ。私たちまだ中学生なんだよ?今やめれば誰にも言わないから、ね?」
と彼をなだめにかかった。
ゆうは私が、彼に仲良しこよしだった昔を思い出させ、レイプを思い止まらせようとするために、こんな言い方をしたのだと考えたようだが、それは違う。私の彼への気持ちは、その仲良しこよしだった頃から全く変わっていなかった。
なら、なぜこんな言い方をしたのか?
今さらかも知れなかったが、できれば、彼と身体の関係になってしまう前に、せめてふたりの関係を、仲良しの幼馴染まで戻しておきたかったのだ。
ゆうが私のこの言葉に対し、
「小1の時からずっと友達だったんだから、いいだろ?俺、ずっとお前とヤりたかったんだ」
とでも言ってくれれば、それでよかった。
だが彼はそんな私の望みを無視して、無言のまま歯でスポブラを捲り上げ、乳首に吸い付いて来た。
全身を貫く、激しい快感の波。それが、何度も何度も私を襲った。押さえつけられた手首を振りほどこうとする力が、どんどん抜けていくのが自分でも分かった。
『女は一度ヤってしまえば、こっちのもの』というような事を本気で信じている男がいる。でもそれは大間違いだ。
嫌いな男や見知らぬ男に拘束され、胸やアソコを愛撫されて、生理的に反応してしまったとしても、そこには憎悪と嫌悪しか残らない。相手の男と、そんな反応をしてしまった自分自身に対して。
ただ、この時の私のように、相手が元々憎からず思っていた人だった場合は事情が違う。
好きだけど、何かの理由や行き違いで素直になれずにいた場合だと、強引に愛撫され、感じさせられる内に、その拘りが、どうでもいいことのように思えてくるのだ。
だが、力が抜け、目をつむって、快感の波に合わせてビクッビクッと反応するだけになっている私を見て、ゆうはかなり驚いたようだった。
このリアクションを見れば、その時彼が私をどう見ていたか分かる。恋愛感情など全くなく、ただのクソ真面目で凶暴な女だと思っていたのだろう。
人の気も知らないで。まったくもう、ドンカンなんだから。
ゆうは更に、「舞、気持ちいいのか?」と無神経に聞いてきた。そんなこと聞かなくても、見れば分かると思うのだが、私の反応がよほど意外だったのだろう。
私は恥ずかしさのあまり、涙を流しはじめた。
そしてついに、彼の手がパンツの中に…
乳首への愛撫で、そこがどんどん熱くなり、身体の奥からシュンと何かが滲み出る感じがしてたので、そこがヌルヌルになっていることは分かっていた。
案の定ゆうは、そこを触ると
「すげえ、もうびしょびしょだぞ」
「こりゃあ帰るときかなりスースーするぞ」と、無神経な指摘をしてきた。いくら相手が幼馴染でも、女を力づくで犯そうとしているというのに、帰る時のパンツの心配をするのも、今考えると間の抜け話なのだが。
でも、ゆうのこの言葉のおかげでやっと私は、
「じゃあ、脱がして…よ」
と、彼とのセックスを受け入れる気持ちを伝えることかできた。
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