辛い時間は間もなく終わり、ゆうのおちんちんが、すべて私の膣内に収まった。
その頃の私の性知識では、男のペニスを膣内に迎え入れ、その後男は射精をする、ということは知っていたが、それが一番奥まで届けば、男の意志で射精できるものだと思っていた。
だから、まさかゆうが、わざわざ射精をして私を妊娠させるつもりはないだろうと思ったので
「もういいでしょ?早く抜いて」
と言ったのだ。
「いや、まだた。まだ出してねぇ。」
「出すって… ちょ、ちょっと!止めてよ!妊娠しちゃうじゃない」
「今日は危ない日なのか?」
「…多分違うと思うけど…」
「じゃ、いいな?」
「えっ?ちょっと、ダメだって!い、痛っ!う、動かないで!やだぁ!」
このやり取りで私はようやく、男は膣の奥まで突き入れたあとも、ピストン運動をしないと射精できないこと、そしてその射精こそがセックスの最終目的で、それをしないと終われない、ということを理解した。
でも、たとえ愛する人が気持ちよく最後までセックスを全うするためでも、女にとって膣内で射精されるのは怖い。
なのに私は、ゆうがピストンを再開してからも、ほとんど抵抗も抗議もしなかった。なぜか?
その頃の私たちの関係は、八方塞がりだった。たとえゆうが僧侶になるのをやめて、戒律も守らないと決心したとしても、そして身体の関係になったことをきっかけに彼と恋人同士になれたとしても、そのことが露見したら、彼は間違いなく村を追い出される。まだ中学生で生活力がない私は、後を追うこともできない。
かといってこのまま隠して付き合っていたとしても、やがて彼はやがて本物の僧侶になり、私とつきあうことも結婚することもできなくなる。
だが、私が妊娠してしまったらどうだろう?
それも、堕ろせないほど進んでから発覚したら?
さすがの村長も、娘をシングルマザーにする訳にも行かず、何とか理由をつけてゆうをこの村に留まらせ、私と結婚できるように取り計らってくれるのではないだろうか。
普通の中2女子なら、こんなに早く、こんなことで、将来の相手を決めてしまうなんてありえないことだが、当時の私にとってはそれ以上にいい選択肢は、いつまで待っても現れそうになかった。
『それならそれで、いいかも』
頭の隅でそんなことを考えながら、膣内で動かれる痛みに耐えていると、ふいにゆうの動きが止まった。よく見るとかすかに震えているようにも見える。
『射精したのか…』
「終わった?」
「ああ」
「どいて」
彼はノロノロと引き抜き、ティッシュで血まみれのおちんちんをを掃除したあと、もう2~3枚抜き取って私にとってのも拭いてくれようとしたが、さすがに色んなものでグチャグチャになっているそこを、ゆうに直視されるのは恥ずかしかったので、手を差し出してティッシュを受け取り、自分でそこを拭き取った。
蔵を出る前に、私は彼に口止めした。
今日の始まりは、ゆうが私を騙して蔵に監禁したことからだった。つまり犯罪。
彼の方が私を口止めする場面なのだろうが、その時私は彼が、自暴自棄になっているようにも思えたので、私とヤッたことを吹聴するのではないかと心配したのだ。そうなれば、彼は即村から追放されてしまう。それを恐れた。
でも、そこまでの考えはないようで、逆に私にも口止めしてきたので、安心して蔵を出た。
帰り道、歩き方が変になるのを気にしながら、私はボンヤリとこれからのことを考えた。
『明日から、ゆうちゃんとどんな風に接したらいいんだろう?』
今日私たちは、身体の関係になった。でも、告白されて彼女になった訳ではない。なんて微妙な立ち位置…
できれば、これをきっかけに、小2の頃のような仲良しのふたりに戻りたい。でもだからといって、急に甘えたり、馴れ馴れしい態度をとったりすることは、私には性格的にできそうにない。
『そういえば、もうずいぶん、ゆうちゃんの前で笑ってないな』
とりあえず明日は、私が今日のことを怒ったり、後悔したりしてないことを伝えるためにも、がんばって笑顔を見せるようにしよう
そう決心して、帰途についた。
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