女子生徒達から受ける嫌がらせは、陰湿にして執拗であった。
当然だが、彼女達がノゾミと性行為を行うわけではない。
比較的下位カーストに属する生徒達による序列の確認と定着、それに伴う性的な要素を多分に含んだイジメである。
ある時は衣服を全て脱がされ、脱がされた衣服を教室の窓から捨てられたノゾミは、それでも胸と下腹部を隠しながら、中庭まで拾いに行かざるを得ない。
廊下ですれ違う生徒達の好奇と好色の視線を浴びながら、不本意にもノゾミは昂ぶってしまう。
中庭に散らばった制服と下着を拾い集めながら身に付ける姿は、学校中の嘲笑の的となっていた。
またある時には、何人かの女子生徒達に抑えつけられ、リコーダーを使って秘裂に愛撫を加えられることもあった。
最初は抵抗していたノゾミも、執拗に刺激を受け続けるうちに、黙り込んでしまう。
勢い込んだ少女達は、ノゾミが穿いている下着を毟りとる。
「ぅわ・・濡れて・・る・・。」
クロッチに付着した染みに少女達の興奮は、いや増すばかりであった。
奇しくも、かつてカナエに対して行った辱しめに甘んじるノゾミ。
リコーダーの吹き口で秘壺の入り口を掻き回されうちに、堪らずノゾミは呻く。
調子に乗った女子生徒の一人が、ノゾミ自身へのリコーダーの挿入を提案した。
さすがにそれは、と反対する少女もいたが、構わず挿入を試みる。
ぐちゅ、じゅぼ、ぬちゃ・・・
スカートの下から生じる湿った音に、少女達は一様に息を呑む。
くふっ
せめてもの意地で声を出さないように堪えていたノゾミが、ついに甘い吐息を漏らした。
リコーダーを手にした少女は、更に奥を目指してリコーダーを捻じりながら、挿入を続ける。
あぐっ、ぐぅっ・・・
異物の侵入を受け、洞窟の壁が引き攣るたびに、ノゾミは咽喉の奥から唸り声を漏らしながら痛みと悦びに耐える。
洞窟の最深部まで辿り着いたリコーダーの先端が、子宮口に触れた。
びくん
腰が浮き上がる程の反射運動が、ノゾミの身体を大きく反らせた。
驚いた少女は、リコーダーから手を離すと他の女子生徒達を促して姿を消す。
痛みに耐え、上半身をやや起こしたノゾミは、何とかスカートの中に手を潜らせると、リコーダーを探り当てた。
ゆっくり、ゆっくり・・・
ようやくノゾミがリコーダーを引き抜こうとした瞬間である。
がらり
教室のドアが開き、カナエと一人の男子生徒が入ってきた。
じゅぽ
間抜けな音とともにリコーダーが抜けると同時に、ノゾミとカナエの視線がぶつかったが、先に眼を逸らしたのはノゾミの方だった。
「・・独りでそんなことして・・楽しい?」
揶揄するようにカナエは声をかけるが、誰が見ても望まぬ行為を強要されていたのは明らかだ。
ノゾミは顔を逸らしたまま上半身を起こすと、剥ぎ取られたハーフパンツと下着の在り処を探るが、見当たらない。
「お?」
カナエと同伴してきた男子生徒が、机と机の間に落ちていた下着とハーフパンツに手を伸ばす。
あ。
ノゾミは声にならない小さな叫びを上げた。
ここまでの仕打ちを恒常的に受けてはいたが、一度、身に付けた下着を他人に、殊に異性の眼に晒すことは抵抗がある。
その下着が性的な汚れ方をしているのであれば、それは尚更であった。
返して・・
教室の床にへたり込んだノゾミは、咽喉まで出掛かった言葉が口に出せない。
理由は分からない。
恥辱にまみれた惨めな自分を、更に貶めてしまうような気もするが、結局、ノゾミにはよく分からなかった。
「それ、ノゾミのでしょ?返してあげたら?」
カナエの言葉に従い、手にした衣類をノゾミに差し出す男子生徒。
おずおずと受け取りながら、ノゾミの心は久しぶりに暖かいもので満たされていく。
他人の優しさ、という程ではないのだが、好意的な配慮に触れること自体が久しぶりなのだ。
だが、それも一種に過ぎなかった。
「拾って貰ったんだから、お礼しなきゃ、ね。」
薄笑いを浮かべたカナエの言葉の意味が、最初は他の二人には分からなかった。
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