ノゾミはいつの間にか再び意識を失っていたらしい。
「あ。起きた?」
制服姿のカナエが、床に横たわるノゾミを見下ろしていた。
既に男子生徒達の姿は見当たらず、カーテンから漏れる陽光は、日暮れ時の趣きとなっている。
身体を起こそうとしたノゾミは、下腹部の芯に残る鈍痛に顔を顰め、途中で身体の動きを停めた。
身体の異常は下腹部だけに生じているわけではない。
不自然な、もしくは日頃しないような姿勢を取ったことにより、身体の節々が痛い。
既に乾いてはいるが、自分自身と自分以外の汗と体液と唾液の匂い。
左右の太腿から膝にかけて血液と精液の混じった汚れがこびりついている。
「凄い格好だよね・・。」
本来であれば、二人の立場は逆転している筈であった。
少なくともノゾミにとっては、だが。
「みんなは帰ってもらったから。」
「・・・・」
「あたし?あたしはね・・・」
カナエは存分に楽しむことが出来たという。
五人の男子生徒達は、各々が何度かノゾミと交わったことにより、冷静さを取り戻していた。
放った精液の残滓がこびりついた男性器を、口唇による奉仕により舐め清め、ついでに果てさせてから、持参していた避妊具を装着した上で五人との行為を堪能したと語った。
「・・凄く・・変態みたいで・・凄く・・興奮しちゃった・・。」
頬を赫らめながら、嬉々として語るカナエの言葉も、ノゾミの耳には届かない。
変態行為・・・
その単語だけが、ノゾミの頭に刻まれる。
最初は拒絶していた筈であったし、事実として拒絶していたのだ。
だが、いつの間にかノゾミは我を失い、性的に蹂躙される屈辱に酔い痴れていた。
自分自身の中に潜んでいた闇が解放されてしまったのは間違いない。
今日味わった悦びを拒絶することは、最早不可能に違いなかった。
ノゾミは汚れた躯を、、肉体的にも精神的にも、、引き摺るようにして立ちあがると、制服を身に付け、無言のまま、立ち去っていった。
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