「・・先生、あの・・少しだけ、いいですか・・?」
途方に暮れたような表情を浮かべ、カナエは今にも縋り付きそうな風情を見せる。
「ん?何だ?」
放課後、それは既に下校時刻が近づきつつある学校内の廊下。
三十歳を過ぎたばかりの男性教師を呼び止めたのは、体操服とハーフパンツに身を包んだカナエであった。
「・・ここじゃ・・ちょっと・・。」
「ん?」
迂闊である。
カナエに誘われるがまま、教師は無人の教室に足を踏み入れるが、そこは文字通りのアリ地獄であった。
するり
おもむろにカナエは、ハーフパンツを脱いだ。
カナエが身に着けている下着、体操服には、全て細工が施されていることを教師は知らない。
ハサミによる切れ込みが、そこかしこに施され、簡単に、それが非力な少女の手によるものであっても、引き裂くことが可能な代物であった。
「な、何を・・」
教師が言葉を発する前に、カナエは切なげな表情を浮かべながら教師に近づき、その手を取り己れの胸に押し付ける。
「んっ!」
身震いしながら甘い吐息を漏らすカナエの行動に、教師は動揺を隠しきれない。
「・・先生・・一度だけ、お願い・・です・・。」
「いや、何を言ってるんだ、俺は教師だぞ!」
言葉を失った教師は、それでも男子生徒達とは違い、一旦は、わきまえた態度を取るが、その動揺は隠しきれない。
その証拠に、冷たく突き放してその場を去れば済む話にも関わらず、教師はアタフタと言葉を紡ぎ続けていた。
「・・妊娠とか、怖いから・・これだけ・・」
「い、いや。そんな、そういうことじゃ・・」
差し出されたカナエの手には、幾つかの避妊具が載っており、最悪の状況、つまり『女子生徒との性交による妊娠』は、回避出来そうな条件ではある。
実際、教師と生徒の性交は、頻繁では無いが、『またか』程度には発生しており、表沙汰にさえならなければ大きな問題には至らないのが実情であった。
表沙汰になるケースとしては、教師側からのアプローチが発端である場合と、生徒が妊娠する場合である。
「まだ・・中学生なんだし、こういうことは・・本当に好きな相手と・・」
教師が喋り終わらぬうちにカナエは、教師に抱きつき、その胸に顔を埋ずめながら同じセリフを繰り返す。
「・・お願い・・一度だけ・・。」
「は、初めてなんだろ?そんな・・」
「・・・・・」
カナエは顔を上げ、潤んだ瞳で教師の顔を見詰めながら、ゆっくりと首を振る。
その切なげな表情を前に、教師の理性は音を立てて崩れ始めた。
「い、いいんだな?・・後悔・・しない・・な?」
「先生、キス・・して・・。」
そう言って両眼を閉じ、更に顔を近づけられた瞬間、教師の理性は完全に崩壊した。
教師は夢中で唇を押し付け、暫くすると舌を抉じ入れてきた。
カナエは閉じた唇を緩めると教師の舌を迎え入れ、ぎこちなく相手の舌を探る。
いつの間にか、カナエの肩に置かれていた教師の左手は背中に回され、ゆっくりと首筋から背中を撫でさすり始めていた。
では右手は、というとカナエの腰から尻の辺りを這いながら、徐々にその範囲を広げていく。
男性教師と互いの唇を重ね舌を絡めながら、手による愛撫を受けるカナエ。
極く普通の男女の営みに過ぎないが、カナエにとっては初めての経験であり、思わず陶然となってしまう。
全身の力が入らなくなり、腹の辺りに固く熱い膨らみを感じると、否が応にもカナエの期待は高まっていく。
だが今日の趣旨を履き違える訳にはいかない。
「・・・先生・・。」
一旦、唇を離すと互いの唾液が宙に糸を引く。
演技ではなく、息を乱しながらカナエは教師に訴えた。
乱暴に扱われたいのだ、と。
衣服を引き裂かれ、裸に剥かれたいのだ、と。
屈辱的な奉仕を強要されたいのだ、と。
獣のようなポーズで陵辱されたいのだ、と。
「何があったんだ・・?」
さすがに事情が気になった教師の追求を交わす為、再びカナエは教師に抱きついて、その胸に顔を埋ずめる。
「・・聞かない・・で・・ください・・。
忘れたい記憶があるのだ、と。
忌まわしい経験をしたのだ、と。
望まぬ相手だったのだ、と。
はしたない自分に気付いてしまったのだ、と。
「・・忘れたい・・けど、忘れられない・・から。」
今日、ここで同じ経験をすることにより、カナエは過去を上書きし、リセットしたい。
その為の相手として選んでしまったのは、さぞ迷惑であろうが、是非、協力して欲しい。
「分かった。一度だけ、だ。」
おもむろに教師はカナエを抱き締めると、強引に唇を奪いつつ舌を挿しいれた。
存分にカナエの舌を味わい終えると、首筋に舌を這わせ、体操服の下に手を潜り込ませる。
ぁあ・・あぁぁぁあ・・・
またしても演技ではなかった。
全身を弄られ、口唇により点在する敏感な部分に愛撫を受けるカナエ。
体操服の上から触れていた筈の手は、いつの間にか服の下に潜り込み、前後左右から素肌を撫で回す。
身体の向きを変えられ背後から抱き締められた、そう思うや否や、左右の乳首が指で捻じられ、様々なタイミングで刺激を送り込まれる。
「せ、んせぇ・・狂っちゃ・・うよぉ・・。」
牡と牝、二匹の獣が交わり始めた。
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