渋るノゾミに頼み込み、例の男子生徒を呼び出したのは翌々日、夏休みは残り二日となっていた。
前回と同様、顔を隠され視界を塞がれ、全裸で椅子に拘束された男子生徒を前にしたカナエとノゾミ。
準備が出来るまで隠れていたカナエは、姿を表した時には既に制服を脱ぎ去っており、一糸まとわぬ姿となっていた。
気が進まぬようなことを言っていたノゾミではあったが、いざ、事が決まれば、段取りの良さを見せながらテキパキと準備してくれる。
「用意してきた?」
「・・・」
無言で頷くカナエは、手にした避妊具の小箱を示すとパッケージを開封し、そのうちのひとつをミシン目で切り離す。
ノゾミが見守る中、ゆっくりとカナエは男子生徒の前で膝立ちになると、その太腿にそっと手を触れた。
ぴくり
視界を閉ざされ、身動きも出来ない男子生徒は、敏感になった皮膚感覚の為か、触られただけで反応を示す。
左右の太腿に触れたカナエの手が這い始めると、股間にある肉棒がムクムクと立ち上がる。
カナエは僅かに開いた唇の隙間から桜色の舌先を覗かせ、その先端で男子生徒の膝を舐め始めた。
顔の位置をジワジワと前に進めていくと、カナエの視界の隅に準備が整った男子生徒自身が映る。
気持ちいい。
男子生徒にすれば、太腿を手と舌で愛撫されながら、カナエの髪が太腿の表面を滑る感覚は絶妙な刺激である。
既に屹立したペニスの先端からは、先走った粘液が滲み出ている。
太腿の付け根、股間の近くに舌が近づけば、必然的に髪による愛撫も股間に及ぶ。
いつの間にか、怒張にカナエの頬が触れ、その光景を想像するだけで彼の興奮は募るばかり。
あっ
男子生徒が情け無い呻き声を上げた。
股間の近くに位置していたカナエの頭部が進行方向を反転、今度は膝に向かって逆向きに移動を開始したのだ。
それはそれで心地良いのは確かだ。
だが、誰とも分からない少女の舌と唇、そして髪が股間の周辺部に触れている興奮には代え難い。
「・・・暑い・・ね。」
不意にノゾミが呟く。
振り向いたカナエと眼が合った。
「暑い・・から・・あたしも・・脱ごっと。」
くすり
カナエは片側の頬だけで笑うと再び向き直り、男子生徒への愛撫に没頭する。
笑われた。
自分の想いをカナエに見透かされたことに気付いた瞬間、頬がカッと熱くなる。
今思えば、別に服を脱ぐことを口にする必要は無かった。
黙って脱げば良かったのだ。
それなのに敢えて口に出したのは何故か。
服を脱ぎ、裸になる口実が欲しかったに過ぎない。
明確に意識しているわけではないが、ノゾミも目の前で繰り広げられる行為に参加することを望んでいた。
男子生徒が施されている愛撫は、ノゾミがカナエから受けていた『奉仕』である。
その全てはノゾミ一人だけに捧げられていた。
だが、いま、目の前でノゾミが選んだ男子生徒に捧げられている。
嫉妬であった。
嫉妬の気持ちが歪んだ欲望としてノゾミを昂らせていく。
昨日も興奮の余り、二人の性行為を見守りながら自慰を始めてしまい、無様にも絶頂を迎えてしまった。
それはノゾミのプライドが許さない。
果てるのであれば、こそこそと自慰に耽るのではなく、せめて裸を晒すことにより、参加している体裁で達したかった。
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