「カナエ!いい加減に起きないと遅刻するわよ!」
階下からの母の声に、枕元の目覚まし時計に手を伸ばしたカナエは我が目を疑った。
それもそのはず、八時に家を出れば学校にはギリギリ遅刻しないのだが、既に時計の針は八時までに余すところ二分。
慌ててタオルケットを跳ね除けると階下に向かう。
母の小言を聞き流しながら、朝食代わりに牛乳をグラスに注ぎ飲み干すと、洗面所で歯を磨きながら、それでも嗜みとして髪を整える。
部屋に戻ったカナエはパーカーを脱ぎ捨てると、ブラウスとスカートを身に着け、通学用のバッグを掴み、再び階下に向かう。
仕事に出掛ける支度をしている母に声を掛け、靴を履くと一目散に学校に向かって走り出したのだった。
奇跡だった。
全ての信号が青、危ない瞬間はあったにせよ、最短時間でカナエが学校に辿り着いたのは予鈴と同時。
汗まみれで教室に潜り込み、朝のホームルームを終えた頃、冷えたのだろうか、カナエは耐え難い尿意に襲われる。
幸いにして一時間目は家庭科、教室移動の合間に済ませようと、友人に教科書を託すとトイレに向かい便座に腰を下ろしながらハーフパンツと下着を下ろそうとした瞬間であった。
え?
どうして?
あたし・・
・・パンツ・・穿いてない・・・
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