二日程経った頃、クラスの女子における序列が変わり始める。
大人しく生真面目なカナエのクラス内の序列は、元々、決して低くはない。
むしろクラスで一、二を争う学業成績のお陰で上位層にあったと言える。
一方、ノゾミの序列は中位層の上位に位置していた。
本来であればカナエとノゾミは性格の違いもあり、四月以降の数ヶ月において、あまり接点はない。
だが、この数日のうちに二人の関係性は強まり、しかもその力関係においては、ノゾミの方が主導権を握っている。
中学一年生とはいえ、女子の集団である。
そういった序列の変化には敏感であった。
しかも、はっきりとはしないが二人関係には禁断の香りが漂っている。
体育の授業を二人が抜け出したあの日、カナエが果てる寸前に至っていたことに気付いた生徒もいないわけではない。
そういった少女にとって、人前で痴態を晒すカナエは、はしたなく眉をひそめる対象でもあり、気付かなかった大多数の少女達にも、その蔑むような空気は漂っている。
徐々にではあったが、カナエの序列は下がりつつあった。
「はい、確かに預かりました。」
戯けた口振りとは裏腹に、ノゾミの眼に浮かぶ嗜虐の悦びは隠しようがない。
対照的に屈服することによる安心感、そして与えられる快楽への期待に被虐の悦びを滲ませたカナエ。
あの日以来、カナエは学校にいる間、スカートの下は常に剥き出しであった。
朝、登校するとノゾミに下着とハーフパンツを脱いで渡す。
放課後まで辱しめられたカナエは、ノゾミに命じられるまま、あられもない痴態を晒す日々が続く。
どうしたものかは分からないが、いつの間にかノゾミは図書室の鍵を手に入れおり、二人は爛れた時間を内鍵を掛けた図書室で過ごすようになっていた。
一ヶ月を過ぎた頃から、ノゾミはカナエに対して奉仕を求めるようになった。
奉仕、それはカナエがノゾミに対して提供する性的な奉仕である。
その日、全身を嬲り回されたカナエが、何度かの絶頂を迎えた後の余韻に浸っている時のことである。
不意にノゾミは自ら下半身の衣類を取り除き、少し考えた後、ブラウスをも脱ぎ去った。
呆気に取られたカナエに向かい、下半身を剥き出しにしたノゾミは、さすがに股間を手で隠しながらポツリポツリと話し始める。
「カナエさぁ、不公平だと思わない?」
「?」
「カナエだけ気持ちよくなってるのって不公平だと思わないか、って言ってるの!」
ノゾミに引き摺り回された挙句の現状なのだから、カナエにしてみれば理不尽な話であった。
だが、今のカナエがノゾミに逆らうことは出来ない。
ノゾミに握られた弱味、それもあった。
だが、今やカナエはノゾミから命じられた行為を為すことによる悦びに耽溺している。
もちろん肉の悦びもあるが、むしろ精神的な悦びの比重が大きい。
屈辱的な姿を晒させられ、はしたない痴態を晒す悦び。
何よりも辱しめを受け入れている自分自身を蔑み、貶めることにより得られる悦びは、他では得ることは出来ない。
カナエの選択肢はひとつ。
「・・ど、どうすれば・・いい・・の?」
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