女性の体育教師の号令に従い、授業は全員が整列しての準備体操に始まった。
天気が悪い今日は体育館で器械体操、跳び箱である。
四段から始め、四段をクリア出来たら五段、といったように徐々に難易度が上がっていく。
クリア出来ない場合にはクリア出来るまでチャレンジを繰り返す。
跳び箱めがけて助走し、踏切台で跳ぶ。
一瞬、遅れたタイミングで跳び箱に手を突き、身体を支えながら大きく開脚した状態で跳び箱自体をクリアする。
列に並んだ少女達は各々のレベルに合わせ、次々と跳び箱に向かって疾る。
カナエにとっては責め苦に等しい時間であつた。
助走にしても跳んだ後の着地にしても、衝撃がクリトリスを刺激する。
それは六段をクリアした着地の瞬間であった。
着地の衝撃が与えた刺激は、カナエに限界を突破させていまう。
着地と同時に達したカナエはクタクタとその場に座り込んでしまう。
異常を察知した教師や生徒達がカナエを取り囲む中、
喘ぎ声こそ漏らさないものの、荒い呼吸を繰り返しながら座り込む少女。
殆どの生徒達は単なる体調不良だとしか考えることが出来なかった。
カナエが絶頂を迎えていることに気付いたのは、ノゾミを除けば性に対しての知識がある数人、そして体育教師であった。
「先生、あたし医務室に連れて行きます。」
ノゾミの申し出を受けた教師はカナエに手を貸して立たせると、医務室に向かう二人を見送りながらも授業を再開させるべく生徒達に指示を出し始めた。
「ね、イッちゃったんでしょ?」
羞恥心を刺激するべく投げ掛けられたノゾミの質問が、カナエな更なる昂ぶりをもたらす。
それと知りながら意地悪く問い掛け続けるノゾミ。
「ね、医務室の前にトイレ寄って行こっか。」
再び限界を迎えつつあるカナエにとっては、ノゾミの申し出は正に天の助けであった。
トイレに行く理由は明白である。
奇しくも二人の少女の意見が一致した。
「イキ足りないんだよね、カナエは。」
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