生理用品の選択においてナプキン派とタンポン派があるが、少なくとも十代前半の少女、しかも思春期の入り口に立ったばかりの少女については圧倒的にナプキン派が多い。
選択の理由に個々に異なるであろうが、膣内に異物を挿入する行為に対する迷信じみた怖れの比率は高い。
メーカーや医療従事者の説明にも関わらず、少女やその保護者は挿入による破瓜の可能性を怖れ、カナエもまた、例外ではなかった。
「だって・・怖いよ・・使ったことないし・・。」
「ふーん。じゃあ今日が初めてだね。」
いつの間にか手にしていたタンポンのキットを差し出しながら、ノゾミはカナエにタンポンの説明を始める。
処女膜に対する安全性から、経血の漏れなどにより下着を汚すリスクまで。
だが生理の時期でもなく、ナプキン派であるカナエにとっては脈絡の無い話題としか思えない。
「それ・・で、どうする・・の?」
ノゾミの説明が途絶えたタイミングを捉えたカナエは、至極もっともな疑問を口にした。
肩透かしを喰ったような表情を浮かべたノゾミは、やや呆れたような口調で言い放つ。
「だって昨日くらい濡らしちゃったら、スカート汚れちゃうよ?困るよね?」
「え?」
カナエにしてみれば昨日はノーパンだったからこそ、あそこまで濡らしてしまったに過ぎない。
だが、そもそもカナエとノゾミの間には大きな認識の齟齬があったのだ。
「だってカナエは今日からスカートの下、何も穿かないんだもん。」
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