全て合点がいった。
下校途中に何人かとすれ違った際、注がれていた何人かの視線は、無防備な上半身を晒している女子中学生に対するものだったのだ。
カナエの脚から力が抜け、その場にくたくたと座り込んでしまう。
すれ違った人々のうち何人が気付いただろうか。
その中に知り合いはいたのだろうか。
カナエにとっては半裸といっても過言ではない姿。
そんな姿で街中を歩いていたのだ。
よもや、そんな姿を撮影でもされていたら。
撮影のみならず、ネット上に流出したら。
冷静に考えればそこまでに至るような状況ではない。
現に今、素肌に貼り付いたブラウスを透けさせている汗は、カナエが最後に走ったことによるものだ。
だが、カナエの妄想は既に独り歩きを始めている。
カナエは知りたかった。
実際問題として自分はどんな姿を晒していたのだろうか。
さすがに乾き始めたブラウスからは、身体のラインが露わになることはない。
もう一度、確認しないではいられない。
いや、正確に言えば、もう一度あの姿を、、、己れの恥ずかしい姿を見てみたかった。
ゆっくりと立ち上がったカナエは、少し考えるとスカートとハーフパンツを脱いだ。
ブラウスだけを身に付けた少女は脱衣所からバスルームに進み、シャワーの下に立つと蛇口を捻る。
冷たいシャワーが降り注ぐ中、身震いをしながら待つこと数秒。
ビショ濡れになったカナエは水滴を盛大に垂らしながら脱衣所の鏡の前に立つ。
あっ!
鏡の中の少女は声なき悲鳴を発すると、その場に立ち竦む。
目を覆わんばかりとはこのことであろう。
鏡の中では貧弱な身体つきをした少女が、濡れネズミとしか言いようのない姿を晒していた。
濡れて身体に貼り付いたブラウスの生地から透ける素肌、ささやかな膨らみの中心に尖る乳首、臍、そして下腹部の淡い翳り。
それは唐突であった。
不意に下腹部の奥に灯った小さな、しかし圧倒的な熱量を有した火が爆発的に身体の内側を駆け巡る。
カナエ自身、何が起こっているのか分からないまま、全身を巡る感覚に身を委ねる以外の選択肢は無かった。
次の瞬間、カナエは今日二度目、そして人生においても二度目の絶頂を迎えていた。
いわゆる『脳イキ』である。
はしたない姿を街中で晒してしまったかもしれない。その想いがカナエを一気に昂らせ、その昂ぶりはカナエの身体を完膚無きまでに征服してしまったのだ。
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