その後も私たちは、夏休みが終わるまで、毎日どちらかの布団で一緒に眠り、セックスをしました。
夏休みの最後の日、浩は半分泣きそうな顔で帰って行きましたが、冬休みになるとすぐにまた来てくれて、その間私たちは毎晩交わりました。
そんな風にして、春休み、GWと一緒に過ごし、3年が過ぎました。
高校を卒業すると私は、地元の小さな事務所に就職しました。
浩は高校生になるとすぐ、中型バイクの免許を取り、友達のお兄さんにもらったというバイクに乗って、一人で私の家に来ました。
そして、怖がる私を後ろに乗せて、あちこち連れ回し、最後はラブホに入りました。最初の1回は、浩が見栄を張ってホテル代まで払いましたが、高校生にとってはバカにならない金額なので、次からは私が払いました。
それから彼は、よほどの用事がない限り毎週末うちに来て、私をデートに連れ出しました。
私の両親も、最初の内は
「ほんとに姉弟みたいに仲がいいねぇ」
などと言っていたのですが、あまりに浩が熱心に通ってくるので、母親が心配して
「ヒロ君とはどういうお付き合いをしているの?」
と聞いてきました。
でも、私自身、この交際が何なのかよくわかっていなかったので
「どうって、一緒に遊んでるだけだよ。私に友達がいないの知ってるから、相手してくれてるんじゃない?」
と答えるしかありませんでした。
大学生になると、彼は今度は自動車の免許を取り、安い中古車を手にいれて、毎週末私を迎えに来ました。
大学生ともなれば、友達付き合いやサークル活動とかもあるだろうに、本当にマメに、会いに来てくれました。
その車でデートし、最後は必ずラブホですが、ホテル代を節約するため、その車の中でしちゃったこともありました。
彼が大学4年の春、浩は早々に就職の内定をもらってきましたが、その会社は東京にある、大企業でした。
「ヒロが東京に行ってしまう」
この考えは、自分でも驚くほど私を落ち込ませました。
浩の方は、その話をしても、今までと何も変わらない、毎週会いに来るから、というばかりです。
でも、私は元々大してかわいくもない上に、もう若くもありません。その上田舎者です。
東京に行けば、浩の周りには、同世代や年下の、華やかな女の子たちがたくさんいることだろう。
やがて、次第に足が遠退き、私たちの関係は終わってしまう。
浩が私のもとから、広い世界へ羽ばたいて行くのなら、祝福してあげなければならない。
でも、そしたら私はどうしよう?
もう適齢期と呼ばれる年だし、見合いでもして適当な相手を見つけようか。
でも、10年もの間、彼しか見て来なかった私に、いまさら他の男が愛せるだろうか?
そんなことを繰りごとのように考えていたある秋の日、異変が訪れました。
浩の母親、私の叔母から父あてに
「大事な話がある。次の土曜に浩と二人で行くから、会ってほしい」
と連絡があったのです。
浩の事で大事な話と言ったら、私との関係しか考えられません。
まさか、彼と10年前から身体の関係があることが、叔母に分かってしまったのだろうか?
その事で私は叔母に責められ、今すぐ別れるよう言い渡されるのだろうか?
私は不安でいっぱいになりました。
次の土曜日、浩と叔母はやって来ました。二人ともスーツを着ています。
叔母は父の前に正座し、言い出し辛そうに話し始めました。
「あのね、兄さん。うちのヒロがね、お宅のひろちゃんをお嫁さんに欲しいって言ってるのよ…」
その言葉に両親はびっくり仰天。でも、もっと驚いたのは私です。
「…いや、まあ、二人がつき合ってるのはなんとなくわかってたさ。でもそんな話にまでなってるとは、なあ?」
父は母と顔を見合わせました。
「…まあ、うちのヒロはこんなだし、浩君が貰ってくれるというならありがたい話だか、ヒロの気持ちはどうなんだ?それでいいのか?」
「あの…少し浩君と二人きりで話してもいいですか?私も、急にこんなことになるなんて…」
叔母と両親は、浩があらかじめ私にプロポーズしていなかったことにびっくりしていましたが、何はともあれ二人でよく話し合ってから、ということになり、叔母は浩を残して先に帰って行きました。
その晩、私たちはこのことについて、真剣に話し合いました。
ただし、私のお布団の中でですが…
「もう!なんでいきなりこういうことになるのよ!?」
「ごめん…何度も相談しようと思ったんだけど… 俺、東京へ行ったらヒロねぇに会えなくなるんじゃないかと思って…いくら頑張っても、仕事とかつきあいとかで…そしたら、ヒロねぇに一緒に東京に来てもらうしかないって思っちゃって…」
「あんたがそう思ってくれたのは、すごく嬉しいよ。でも、告白もプロポーズもなしに、いきなりこれはないんじゃない?」
私のこの言葉に、浩はキョトンとしています。
「プロポーズ、したじゃん?」
「え?いつ?」
「前に、ここで。」
私は絶句しました。
確かに10年前、浩は私を抱き締めて
『ヒロねぇ大好きだ!一生大事にするからな!』
と叫びました。
確かにそれは、告白だし、プロポーズでした。
なんと彼はそれから10年もの間、ひたすらその約束を果すために、行動してきたというのです。
なんという一途さ!
私は長い間の心のモヤモヤが、一気にほどけてゆく気がして、何も言えなくなってしまいました。
「勝手に母さんまで連れてきて、驚かせて悪かったよ。謝る!だから、俺と一緒に東京に来てくれるよな?」
もう、私の返事は決まっていました。
でも、このままイエスの返事をして浩を安心させるのはどうにもシャクにさわるので、私は
「今夜こそ一滴残らず…」
とつぶやいて、浩のズボンを脱がしに係りました。
「わっ!ヒロねぇ、ダメだって!」
浩は逃げようとしますが、すでにそこはコチコチに勃っていて、いつまでも抵抗できるものではありませんでした。
実は彼は、ここ1週間、卒論だなんだで寝る時間がないほど忙しく、オナニーもできなかったため、溜まりに溜まっていたようで、今日話がうまく進んだら、終わったあと母親を先に帰し、私を思い切り抱きたいと思っていたようなのです。
でも私は彼のそんな希望を無視して、まずは1回目をお口で頂きました。
続いて2回目を吸い取ろうとすると、彼が
「ヒロねぇ、ホントに悪かった!これからは何でも口に出して言うよ。絶対ヒロねぇを不安にさせないから」
と、かなり的を得たことを言うので、仕方なく許してあげました。
そのあと浩は私の中で2回して、やっと満足したらしく、私の胸に顔を埋めたままスヤスヤと眠りました。
こうして私は、今年の春、3つ年下の従姉弟と結婚して東京へ行くことになりました。
知らない土地で、二人きりで。
田舎者の上に極端に内向的な私に、サラリーマンの妻が勤まるでしょうか?
でも、なんといっても10年もの間一度も揺るがずに愛し続けてくれた浩が一緒だから、なんとかなるのではないか。
今はそんな風に考えています。
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