盆休み、由美は家族で帰省し里奈が一人で遊びに来た。部屋を見たいとせがまれケーキを買って招待した。
「きれいな部屋。本当に彼女いないの?」
「家事は得意だから(笑)」
リビングや寝室を見て回り、足を揃えてソファに座った里奈にジュースをすすめた。
風谷のDVDを流しながらお茶にすると、隣りに座ってと呼ばれた。
しばらく並んでいたが
「座っていい?」
と里奈から腿に乗り身体を寄り掛からせてくる。
「どうした?」
「ううん、ちょっと抱っこして」
放任され過ぎて寂しいのかな、と思い里奈の腹に手を回してくつろぐ。
しばらくすると里奈がウトウトし始めた。ボリュームを絞りそっと小さな身体を横向きに抱え昼寝させてやった。
「あ…寝ちゃってた…」
「おはよ。ほら目はこすらないの。」
「うん、ん~っ」
子猫のように伸びをし目をパチパチさせて笑う。
「健太君の温かくて寝ちゃった」
「かわいい寝顔だったよ」
「えー、可愛くないよ」
「いやいや里奈ちゃんは美人さんだよ。彼女にしたいくらい」
「ホントかなぁ?」
「あのアイドルグループなんか目じゃないよ」
「えへっ、うれしい」
笑うと手を首に回しいきなり頬にキスし手でゴシゴシこすった。
「こら、もったいない」
「初めてのチュウ~だよ」
「ありがとう。お返し、する?」
「え!あ…うん」
目を閉じ顔を上げた里奈の頬にキスをする。
「口じゃないの?」
目を開けた里奈が突然言った。
「テレビとかみんな口でしてるよ?」
「う~ん、困ったなぁ」
「ね、一回して?」
「僕でいいの?」
うなずいて里奈は目を閉じる。
里奈の頬を手で撫でながら小さな唇に唇を触れさせ、軽く挟みながらチュッと音を立てて離れた。
「ふわぁ~っ」
と大きく息を吐く里奈の顔が赤くなっている。
「息止めてたの?」
「うん、苦しかったぁ。キスって大変だね」
まだそれでいいんだと思うとますます愛しくなり里奈を抱き締め髪に顔を埋める。
「健太君、大好き」
と里奈も首に抱き着いてくる。
小さな耳や首筋をそっと唇で愛撫するとクスクス笑い、くすぐったいと逃げようとする。
隣りに座った里奈の肩に手を回し、もう一度唇を重ねる。今度は少し大人扱いで二度三度と刺激を与えてみた。
本能なのか、里奈も唇を軽く開き唇を噛むような動きをする。
「里奈ちゃん、二人だけの秘密だよ」
「うん、絶対言わない。里奈の夏休みの大切な想い出」
と笑う顔が眩しかった。
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