朝になり俺は目を覚まし歯を磨いた。
布団では、まりあがあどけない顔でスヤスヤと眠っている。
もう少しすれば、出掛けて夜まで帰って来れないが、どうしようかと考えていた。
目の前に まりあの下着が脱がしたままに転がっていてパンツの裏に何やら書いてあるので気になり手に取り見てみた。
まりあのパンツの裏には
まりあ
と名前が書いてあった。試しにブラの裏を見てみると、そこにも名前が書いてあった。
思わずニヤケてしまい、子供だなと まりあの方を見ると、まりあは こちらを睨んでいた。
「オッチャン、そんな趣味あんのかぁ?うちのパンツ取らんといてやぁ」
しどろもどろに答えてしまった。
「名前…か、書いてんだな?」
「当たり前やぁ、自分のもんには、名前書きって言われんかったかぁ?」
俺は着替えて、またスヤスヤ寝ている まりあの肩を揺すり鍵を見せた。
「帰るんならカギ閉めてポストに入れといてくれな」
まりあは薄目を開けて
「…わかったぁ」
とだけ答えた。
用事が終わり、アパートへ帰ると鍵が閉まっていてポストに鍵が入っている。
暗い部屋の電気を点けるとテーブルにメモが置いてあり
バイ バイ
まりあ
とだけ書かれてあった。
それ以降 まりあ と会う事はなかった。
これが男とまりあの出逢いであり
再び出逢うのは、まりあ が高校生になってからであった。
まりあ《輪》 終
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