時々まりあは、何もないのに何かを拾い集めてるような仕草をしたり、じっと外を眺めている時があった。
虚ろに瞬きもせず目を開け、ヨダレを垂らさんばかりに口をポカンと開けている。まるで置物の様に外をじっと見ていて、声を掛けても反応がない。
止まってしまったかと思うくらいに動きがない。
しかし足は小刻みに揺れ、膝の上に置かれた手はギュッと固く握られ…まりあの強い意識が何かと闘っているみたいだ。
いつも長い袖の服を着ているが、一度まりあの腕が見えた事がある。
いくつかの赤い針のような痕があり、それを消すように掻きむしった痛々しい跡があった。
まりあは闘っているのだろう。悪魔の誘惑に…たった一人で、自分の強い意志だけで…。
夜中に目が覚めると、まりあがベッドの横に丸い小さな椅子に腰掛け、手を伸ばし、行き倒れた商人の様に うつ伏せに俺の体に上半身を倒し寝ていた。
起こさないように 掛け布団を引き抜き、かけてやろうとしたら、途中でまりあはガバッと体を起こし
「わっ!ここどこやぁ?」
と寝ぼけ眼でキョロキョロ回りを見渡した。
そんな まりあの腕を取り、ベッドの中へ引き入れた。
目を閉じたまま俺の胸に顔を乗せ 寝言みたいにまりあは言う。
「オッチャン、どっか痛いんかぁ?」
まりあの顔をあげ口づけながら体をまさぐった。
「ここ病院やでぇ…ホテルちゃうでぇ」
目を閉じ眠っているように、まりあは言う。
「お前が欲しい…」
「オッチャンの病気が、うちに移ったら どぉすんやぁ」
本当に眠っているように目を開けず、寝息まで聞こえる。
まりあの服の中へ手を入れ直接 胸を揉むと、まりあもパジャマの中へ手を入れ、俺のモノを掴んでくる。
「病気が移れば、隣のベッドを使えばいい」
まりあは目を閉じたまま
「あほかぁ」
と言い、ベッドの中 俺の隣で服を脱いでいき、最後の一枚も脱ぎ捨てると、俺に体を密着させたまま まりあが握っているモノへと体をずらし、暖かく生々しい感触が俺を包み込んでいった。
眠るように胸に顔を乗せている まりあは腰だけを動かし、しだいに鼻から漏れる声を大きくして、ベッドの軋む音も気にせず 更に腰を動かし、目を開け俺を見て言った。
「オッチャン…うち、もうイキそうやぁ…イッてもいいかぁ?イッてもいいかァァァ~」
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