波打ち際ではしゃぐ姿、時折あげる黄色い笑い声、ビーチボールが顔に当たり驚き笑う顔、少女のアベちゃんは、とても無邪気で可愛かった。
ボールを取りに行く時に弾む尻、ボールを打つ時に揺れる胸、くびれたウエスト、小さな布が張り付いてる腰…
昔、俺はいい女を抱きたかった。
アベちゃんは、いい女になっていってる。
沖に出た時、去年の様に捕まってきたが、腕ではなく首に手を回してしがみついてきた。
去年より近くにアベちゃんの顔が有り、浮き輪に押された胸は、隙間なくこんもりと盛り上がって とても柔らかそうだった。
すぐに時間は過ぎ、助手席で まだ濡れてる髪にバスタオルを押し当てながら
「楽しかったですね。来年も来たいですね。…ねっ?ねっ主任!」
と言っている。
来年どころか毎日でもいい…そう思う反面、来年はもう来たくない、いや今すぐにでもアパートへ帰り二度とアベちゃんと会いたくないとも思った。
俺はアベちゃんに恋をした。それ以上の気持ちになるのが怖かった。俺はアベちゃんを愛したくなかった。
愛する人を無くすのは……もう耐えられない。
誰も愛したくない。
なのにアベちゃんは俺を悩ましイラつかせた。
近くのレストランで夕食をとり、食べ終える頃からアベちゃんの顔が曇りだし、車に乗り
「さぁ帰るか」
と言った時にアベちゃんは俺を悩ましイラつかせていった。
「まだ帰りたくない…私……主任の事が好きです。苦しいんです…苦しくてもいいんです。主任と一緒にいれるんなら……彼女さんが居てもいいんです。たとえ結婚していてもいいんです。苦しくても構わないです。…これって愛ですよね?私、主任を愛してますよね?」
俺は答えなかった。
答えたくなかった。
口に出してしまえば、アベちゃんを抱きしめて、言ってしまう。
それは愛だ
俺も………
そんな事言っては駄目だ…駄目に決まってる…許される訳がない…許してもらえる訳がない……
アイツが許す訳がない
ツバを吐きかけられるだけでは済まされない
アベちゃんは続ける。
「私、主任とだったらいいんです。後悔しません。私の初めては主任がいいんです」
アベちゃんにも、自分自身にもイラつきながら、車を走らせ、何も考えられずにホテルへと車を入れた。
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