また冬がやって来た。
街はイルミネーションで飾り、恋人達のイブが終わり、雪がチラついてきた。
クリスマスの日 仕事中に まりあから着信が入っていたようなので、仕事を終え帰る時に電話をすると
「うぅぅ、オッチャン寒いわぁ。早よ迎えに来てやぁ~」
と言われ駅まで迎えに行ってやった。
俺を見ると、すぐに
「ちょっと 待っといてやぁ」
と近くのケーキ屋へ行き、小さな箱を持って戻って来た。
部屋へ入ると まりあはコタツに潜りマンガを読み始める。
俺が風呂からあがると、コタツでうたた寝をしていた。
今日は変な化粧はしておらず、素顔のあどけない顔でスヤスヤと寝ている。
自分の飯の用意をしてテーブルへ置くと、まりあは起き出し
「メザシないんか?」
と聞き、食べ始めた俺を見ながら
「うち…のは?」
と言ってくるので、カップ麺を2人分用意して、おかずを分けてやった。
食べ終わるとまりあはコタツに潜りマンガを読み始める。
俺はずっとテレビを見ていたが、まりあは仰向けになったり、うつ伏せになったり、横向きになったりと体勢を変えながら ずっとマンガを読み続けている。
その巻を読み終え まりあは立ち上がり、次の巻を持ってコタツに入ろうとした時に、まりあを抱き寄せ布団の中へ誘った。
「今日、うち あの日やからアカンわぁ」
と言いコタツに潜りマンガを読み始めた。
布団の中で、まどろみ始めた頃に まりあに起こされ時計を見たら 0時を回っていた。
まりあが冷蔵庫からケーキを持ってきた。
「もうサンタ帰ったぞ」
「ほんまに、せっかちなヤツやぁ。すぐ帰りよるなぁ」
箱から小さなケーキを取りだし、上に乗っているチョコをよけ、細いロウソクを何本も さしだした。
「サンタはすぐ帰りよるけど、うちは いつでもおるでぇ」
ロウソクをさし終え、火を点けて電気を消した。
暗い部屋にロウソクの火だけが揺れている。
小さなケーキの上を埋め尽くすように17本のロウソクが燃え、驚くほどの大きな炎となり
「わぁー!火事や!火事や!」
と まりあは慌てながら息で全ての火を消し
暗くなった部屋でまりあが明るい声を出した。
「今日はうちの誕生日やぁ~!オッチャン17才やぁ~!サンタ帰ったらうちのHappyBirthdayやぁ~!」
※元投稿はこちら >>