少女が離れていく
頑張れよ…
言う事 きくんだぞ…
…大丈夫だな…強くて 賢くて 素直だからな…
遠くなっていく少女が暴れてる
俺に手を伸ばし叫んでいる
「嫌だ!嫌だ!嫌だ!嫌だ!嫌だ!嫌だ――!」
ちゃんと守ってやるよ…
ちゃんと色を付けてやるよ…
親がした事 友達にされた事 この街が してきた事
この社会がして来なかった事
俺がした事… 全て話してやるから…
俺も いたいけな少女を監禁してイタズラしてきた加害者になるよ…
だから 被害者になって保護されて 手厚く看護してもらえよ…
「イヤ!イヤ!イヤ!イヤ!イヤ!イヤ!イヤ!イヤ!イヤ!イヤ―――!」
少女が俺を見て手を伸ばし叫んでいる
あぁ俺達 まだ名前も知らなかったな…
よかったよ…名前も知らないやつなんて すぐに忘れてしまうもんな…
ちゃんとご飯食えよ
歯 磨けよ
警官に押さえつけられ 意識が遠のいてきた
少女が見えなくなる前に最後の声を聞いた
イヤだ――――――――――――――――!!
警官に頭を地面に押さえられ意識がなくなった
笑えよ
必ず
ちゃんと笑えよ……
野良猫少女《完》
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