鬼畜だろうが なんだろうが それが無いと 消えちゃうんだよな…
自分が消えちゃうんだよな…
消えちゃったら みんなを待てなく なっちゃうもんな…
みんなと遊べないもんな…
ごめんな…
俺には 見えないんだよ…
そんな色 知らないんだよ…
暗闇の中 見えない手を伸ばし何かを掴もうとした
伸ばした先も 伸ばしてる手も 自分自身も見えず 自身が何をしてるかも わかないのに 手を伸ばした
見えるはずも無いのに 見える訳も無いのに しゃがんでる猫が見えた
俺を振り向き
にゃあ~
と泣いた
どこにあるかも わからない俺の手が 何かを掴んだ
けれどすぐに サラサラと流れいってしまう
離さないぞ…
必ず そこから 引っ張りだしてやる…
俺には見えないけど…
二度と見てやる事は出来ないけど…
朝になり 部屋の隅で膝を抱えてる少女に手を伸ばした
少女は驚いたように ハッと顔をあげ 更に隅へと逃げた
部屋の角で少女を抱きかかえ 浴室へ行き 綺麗に身体を洗った
何度も 丁寧に洗った
少女に服を着せ 少女の物で一杯になったバッグを整理し 入れ直した
最後にテーブルにあった動物の本を入れて閉めた
床に落ちてたハンカチをキチンと畳んで少女のポケットに入れた
ずっと少女は無表情に遠くを見詰めた
重くなったバッグを少女に たすき掛けにして言った
「さぁ行こう」
少女は たすき掛けを外しバッグを床に捨てる
また掛けてやっても 外して捨てる
「…行こう」
「行かない」
「ダメだよ…行こう」
「ここにいる…どこにも行かないもん…もう…どこにも行きたくないもん」
俺は たすき掛けにバッグを持ち 少女の手首を強く握り外に出た
行かない 行かない と足を踏ん張る少女の サラサラとこぼれ落ちていきそうな手首を強く握り 向かった
離さないぞ…
絶対に…
必ず引っ張りだしてやるよ…
笑える場所に…
俺の愛をあげるよ…
人生をあげるよ…
人生の全ての愛をあげるよ…
だから…
笑えよ…
きっと 笑えよ…
俺の分も…笑えよ…
引きずるように 少女を連れて向かった
少女は ずっと
行かない 行かない
と言っていた
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