一度目覚ましが鳴ったが 止めた後 俺も少女もまた寝た
次に起きた時 急いで少女に着替えるように言って 俺も慌てて着替え アパートを出て 少女を乗せて自転車を走らせた
少女はずっとしがみついている
空き地の横を通らない様に遠回りをして 駅へ飛ばした
途中 コンビニに寄り おにぎりやお菓子 飲み物をカゴに入れ アレを探した
少女は離れたとこで リボンをじっと見ていた
アレとリボンもカゴに入れ駅へ飛ばした
駅で少女にアレを渡し トイレに行かせた
昨夜 少女と交わった後に浴室で見た俺のものに 少し血がついていた
だから お腹が痛かったのだろう
電車の中では 少女が俺の隣で あちこちの流れる景色を見たり 離れた席の人を覗き見したりしていたが 混んで来てからは 俺にくっつき ずっと下を向いていた
目的地に着き 券売機で券を買うと 少女は俺の腕を引っ張り ゲートをくぐり 中にいる動物達を見てまわった
キリンやゾウを見上げては俺を振り向き 跳び跳ねるチンパンジーを見ては 跳ねながら振り向き 恐ろしそうにライオンを見ては 俺の腕にしがみつきながら振り向く
飽きる事なく 何度も見てまわった
少し疲れて ベンチでおにぎりやお菓子を食べた
動物達に囲まれながら その真ん中で食べた
動物達の輪の真ん中で少女が 今 見た動物達の事を楽しそうに話していた
少女にリボンを着けてやり また何度も動物達を見てまわった
何周したかも判らないくらいに
最後は少女の手を引っ張りながらゲートを出た
少女は振り向き動物園を見ていた
帰りの電車では 少女は寝てしまい 俺も寝てしまった
慌てて駅を降り アパートへ帰る
遅くなり過ぎたせいか 楽し過ぎたせいか ウッカリ 空き地の横を通ってしまった
更地になり 何もなくなった空き地が夜の闇に溶け込んでいた
ロープが張られ
《立ち入り禁止》
の札が下がっていた
少女は変わらず 俺にしがみついている
「もう少女は ここには来ないぞ」
心の中で そう呟いた…が
闇の中へと消える 空き地に下がる
《立ち入り禁止》
の札は 少女ではなく 俺に対しての警告だったんだ…
お前は闇から少女を救えない そう言いながら揺れていた
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