何が始まるのか、小刻みに震えながら身構えていると、由希子の表情が劇的に変化した。
茹でダコみたいに真っ赤になって、恥ずかしそうにもじもじしだしたのだ。俺をまともに見れないのか、目線が泳ぐ泳ぐ。
「たっくん」
俺が正座したのは言うまでもない。
「は、はい」
「その、えーっと、ホントに、見えたん?」
「え?」
「さっき見たって言ったでしょ?何を、見たの?」
「いや、その、えーっと・・・」
言えない。っていうか名称がわからない。言えるわけがなかった。
「・・・もじゃもじゃだったでしょ?」
「え?まだ全然生えてなかったよ。ツルツルで、」
「やっぱり見たんだー!!」
しまった!誘導された!
「もう私、お嫁に行けない」
両手で顔を覆う由希子。
「へ!?」
「あんなとこ見られたら、もうお嫁に行けない。えーん」
と泣き出してしまった。さっきまでの恐ろしい由希子様はどこへやら。ここにいるのは小柄で色白な可愛い女の子だった。
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