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そこから少しずつ両脚を開いていけば、眉毛とおなじくらい薄く生えた陰毛があらわれて、その下に奇妙な割れ目ができていた。あまりにも異様な形状だったので、博士は少しだけ残念な気分になった。
「なんか、しわくちゃだね。ここだけお婆ちゃんみたい」
そうは言っても、異性の身体への興味だけはなかなか萎えないのが男子というもの。多少リバウンド気味に戻った好奇心は、さっきよりもまた大きく成長していた。
「ゲーム持ってるの?」
と博士のウエストポーチに視線を移して遥香は尋ねた。
「うん」
「だったら、タッチペンを出してみて?」
こんなものを何に使うのかと疑問に思いながらも、博士は携帯型ゲーム機に付属されているタッチペンを取り出して、
「これでいいの?」
と彼女に確認する。
「それでいいよ。それじゃあ、お姉さんのあそこをタッチしてみて?」
「え……、うん……。じゃあ……いくよ?」
タッチペンを構える博士の手が、遥香の身体の中核に触れるタイミングを見計らって、そして優しくタッチした。
「きゃうん……」
一瞬にして意識が遠のく。まさかファーストタッチがクリトリスに的中するとは思っていなかったから、過剰反応を起こした膣内のあらゆる分泌液が溢れ出して、とろりとろりと床を汚していった。
「何か出てきた」
博士に指摘されて、しぜんに膣口が収縮する。ぬるめのお湯がお腹の中から出ていくようで気持ちいい。
「ううっふっ……んんん……。とっても……上手くできてるよ……んんん……」
遥香は指の背中を唇にあてて、声を逃がさないよう必死に耐える。ペン先も濡れて糸を引く。
「おねがい……、入れて……」
遥香は指で陰唇を開いて、赤ピンク色に染まった地帯の真ん中にある穴を晒すと、そこに硬いペン先がゆっくり侵入してきた。
「ああ……あ……ああ……」
日常のなにもかもがどうでもよくなる瞬間だった。
「どこまで入るの?」
「うう……奥まで……、いちばん……ふうん……奥に……ちょうだい……」
息を荒げた遥香に遠慮せず、博士はタッチペンをもっと奥へと通していく。
ぐちゅちゅ……、くちゅ……ぬちゃ……。
遥香の膣はペンをまるまる飲み込み、博士の指さえも受け入れていく。
「あん凄い……。こんなの……はじめて……いい……いい……」
出して、入れて、出して、入れて、遥香は一度目の絶頂を迎えた。その変貌ぶりに、博士も少し心配になるほど遥香はぐったりしていた。
「大丈夫?」
「はあ……はあ……ありがと……。うん……んぐ……気持ち良かった……はあ……」
最後に大きな溜め息をついて、遥香は興奮が冷めないうちにふたたび身体を開いていく。ぐっしょり濡れた女性器から吐き出されたタッチペンもべとべとに汚れ、役目を果たして眠っているようにも見える。
「これはもういいから、今度はきみの手で、お姉さんを慰めて?」
遥香は立ち上がり、書棚の空きスペースに片足をかけた。割れ目の外側の皮膚が開いて、さっきよりも中身の様子がよく見える。白濁した体液がそこから滴り落ちた。
「最初は指でね?」
「うん」
博士は遥香の下半身に潜り込んで、割れ目の入り口を見上げる。そこに指を持っていくと撫でる間もなく、指は簡単に穴の中に入ってしまった。
「うん……そう……いいよ……はっあっ!……ぜんぜん大丈夫だから……たくさん触って……ひうん!……もっとお……」
吹き出す愛液を手首のあたりにまで浴びながら、少年の指はテンションを上げて膣の外と中を行ったり来たりする。
博士自身はとくに気持ちいいわけでもないけれど、ただ単にこの『遊び』が楽しいし、なにより遥香と一緒にいられることが嬉しかった。彼女と結婚したいという憧れさえも生まれるほど、大人の遥香を好きになりつつあった。
そんな淡い思いをぶつけるように、博士は二本目の指を膣へ挿入して、それでもまだ余裕のある穴の余った部分から三本目をグッと押し込む。
「ひいっ……いいっ……逝っちゃう……」
その言葉の意味はわからないが、彼女の逝きたいところに連れて行ってあげようと、小さな指を何度も何度も回転させる。指の隙間から、ぐしゅっ、ぐちゅっ、と泡立つ音が漏れてくる。
指先にざらざらした感触があった直後、博士の頭上で遥香はくぐもった嬌声をあげて、そのまま力尽きた。石鹸の泡というか、ヨーグルトというか、そんな液体が彼女の股間から流れて博士の腕に纏わりついている。
「気持ち良かった?」
博士に聞かれ、痙攣がおさまらないまま
「うん……。あそこが痺れちゃった……はあ……」
と笑みをつくる遥香。
しかし幼い指はまだ彼女の膣内に残されたままで、それが微かに動き始めたと思った瞬間、快感の余韻を引き裂く衝撃が下から突き上げてくるのがわかった。
「きゃふっ!きゅふんっ!」
遥香は、もうちょっとで舌を噛みそうになるところだった。
「ねえねえ、見て、ほら。手が入っちゃったよ?」
まだ声変わりも済んでいない純朴な声が、ありえない現実を告げる。
遥香は自分の下腹部を覗き込んでみて、その言葉の意味を理解した。彼の手首から先は完全にお腹の中に消えてしまって、それが子宮の一部に直接触れている。
「あんだめ……もうだめえ……はふ……はふう……こわれるう……」
彼女はとうとう立っていられなくなって、産毛を逆立てた身体ごと博士に寄りかかる。眼に涙を浮かべながらも腰を振り、セックスの何倍も悦びを感じ、快楽絶頂へと上りつめていった。
「あう……、しん……じゃ……う……、うう……」
気を失いかけて、また絶頂する。
「いい……いくう……うん……うん……」
痙攣する膣で博士の手首を締めながら、天を仰いでふたたび果てる。
「ひゅぐ……んん……またイク……んんん……くあうん……」
月経とは違う生理が何度も遥香の胎内を通り過ぎて、すべてを出し切るまで逝きつづけた。
*
つづく
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