お風呂場は、お姉ちゃんのにおいがした。
石鹸の、いいにおい。
お姉ちゃん、少し前にお風呂に入ったのかな。
ハダカになって、この椅子に座って、体を洗っていたのかな…。
…いけない、変なことを考えちゃった。
早く体を洗って、お風呂から出よう。
とりあえずまず椅子に座って…と、その時だった。
ガチャリ、と扉が開く音と同時に、ひんやりとした空気が背中に当たる。
そして、
「あーっ、やっぱり。シャワーも何もつかってないみたいだね。だから一緒に入ろうっていったのにー。もうっ。」
お姉ちゃんの声が僕のすぐ後ろから聞こえてきた。
信じられない、お姉ちゃん、お風呂に入ってきちゃったんだ!
僕、ハダカなんだよ?
それにお姉ちゃん、まさかとは思うけど…ハダカなのかな?
普通に考えたらそんなことありえないけど、でも、ここはお風呂場だし…。
一瞬頭が真っ白になりかけたけど、僕はとにかく椅子に座ったその姿勢のまま、ちんちんだけを手で隠す。
「…ほら俊君、早く洗っちゃお。石鹸と、タオルとって?」
お姉ちゃんはいつも通りの声で、僕に話しかける。
僕はお姉ちゃんを出来る限り見ないようにしながら、言われたものを手渡した。
ちょっと見てみたいけど…。
やっぱり、お姉ちゃんの裸を見るのは良くないもん…。
「じゃあ洗いますよー。まずは腕から、ごしごし、ごしごし…。」
「次は背中だよー。自分じゃ洗えないから、気持ちいいでしょ?」
「うん…。」
お姉ちゃんはゆっくりと、丁寧にボディータオルで僕の体を洗ってくれる。
たっぷりとした泡と、優しいボディータオルの感触が心地いい。
「はい、後ろはお終い。じゃあ前も綺麗にしましょうねー。」
お姉ちゃんは僕を抱きかかえるようにして、上半身を洗い始めた。
お姉ちゃんの体が、僕の体にかすかに触れる。
洋服の布地とはちょっと違う、滑らかな感触。
…お姉ちゃん、本当に裸、なのかも…。
そう考えると、なんだか体がかあってあつくなる。
体の奥が、じんじんと痛む。
「…はい、俊君。上半身はこれでお終い。次は足をあらうから、立ってくれる?」
僕の耳元あたりでお姉ちゃんがささやく。
でも、立ったりしたら、僕のちんちんも見られちゃうかもしれない。
いっくらなんでも、それは恥ずかしい。
「いいよ、もう自分で洗うから!」
でもお姉ちゃんは頑として譲らない。
「だめよ、いいから早く立ちなさい。」
「嫌だ、嫌だ。自分で洗う。」
「そんなにダダをこねないの!俊君一人でいた時には裸でぼおっとしてたでしょ?お姉ちゃんの言う通りにして、ちゃんとシャワーあびちゃおう。」
「ちがうよ、シャワーさえ使えれば大丈夫だよ、それに僕はただちょっと考えごとをしていただけで…!」
「とにかく」
お姉ちゃんが僕の言葉を遮るようにいう。
「男の子はちょっと体に水ひっかけてすぐお風呂から出ちゃうから、体もあったまらないし、そもそもそれってちゃんと洗ったことにもなってないでしょ?」
「早く体洗っちゃわないと、また体調悪くなっちゃうよ。ほら、早く立ちなさい!」
「だって・・・その・・・ちんちんだって見えちゃうし・・・」
「おちんちんを見られちゃうのが恥ずかしいの?でも、おちんちんは男の子にはみーんなついているものよ。俊君だけじゃないよ。」
「そういう問題じゃなくて・・・。」
「いい、俊君。男の子のおちんちんこそ、特にしっかり洗って、綺麗にしなくっちゃいけないの。俊君は普段意識しておちんちん、洗ってるかな?」
そんなこと考えたこともなかった・・・。僕は思わず言葉につまる。
「ね、だからおねえちゃんが綺麗に洗ってあげる。俊君に、おちんちんの洗い方、ちゃんと教えてあげるからね。」
「それとも、俊君のおちんちんはおねえちゃんに見せられないくらいヘンなのかなー?」
「そんなわけないでしょ!」僕はあわてて否定する。
「ふふっ、そうだよね。じゃあ、立ってごらん?」
お姉ちゃんは笑いながら、僕を椅子から立たせた。
※元投稿はこちら >>