本文の続きです
バスから降りると桜が咲き誇り、一面ピンク色に染まっていた
ただバスの中の出来事が頭を巡り、景色を楽しむことなど到底無理な話だった
しかし真穂は何事もなかったかのように笑って、美しい景色を堪能しているみたいだった
満開には少し早かったし、あまり名が知れていない為か観光客はあまりいなかった
僕達は良いポイントを見つけると写真を撮ったり、デッサンを書いたりした
しかし真穂の様子やこれからのことを考えると気が重くなり、集中出来ずに時間だけが過ぎてしまった
そして、昼食の時間になり少し道から外れた桜の木の下で食べることにした
そして、お昼を食べ終わると今までバスのことに触れなかった真穂が唐突に「さて、なんのお願いを聞いてもらおうかな~」と笑いながら言った
実際、表情が偽りなのかどうなのか僕にはわからなかった
ただ、これからどんな恐ろしい要求をされるのか不安で仕方なかった
そして、真穂は考えた素振りを見せた後「そうだ!マッサージしてよ」と言った
その瞬間僕は混乱した
『マッサージ』という要求は頭になかったからだ
「ま、マッサージ?本当にそんなことでいいの?」
「いいよ。ただ許すのは、気持ち良くなったらだけどね!」
僕は頭にかかっていた霧が晴れるような気分だった
そして僕は真穂の後ろに回ると、肩に手を置いてマッサージを始めた
続く…
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桜爛漫