――第60話――
「・・・でね、お父さんの所に戻らないようにね、お兄ちゃんに鎖に繋いで飼ってもらうことにしたの。ほら、繋がれちゃったら、帰りたくても帰れないでしょ♪」
らしいですよ・・。
で、その格好なわけだ・・。
お前、絶対に男で失敗するタイプだと思うよ・・。
この兄ちゃんを選んだ時点でフリ込んでるとは思うけど・・。
しっかりとメイクまでしているせいか、まだ13歳の女の子でしかないはずのメグミちゃんが、ちょっと大人びた雰囲気の小悪魔的な色気を漂わせる女になっていた。
赤い唇と長いまつげ、まぶたの淡いシャドーが彼女の幼さに妖艶な色香を加えている。
背が高くて身体だって同年代の子に比べれば少しはできあがっているから、全身を締めつけるボディハーネスだって似合ってないわけじゃないけれど、やっぱりムチムチエロエロの肉感ボディってわけじゃないから、彼女が屈んだりすると、ハーネスの股のところが緩んで割れ目がくっきり見えたりする。
すっかり剃られているのか、彼女の股間に陰毛はなく、肉高のスリットからわずかに顔を出す肉襞までが目に飛び込んできて、視線をそらせるのに苦労した。
は、鼻血が・・・。
おまけに完成しきってない身体のくせに、小さなおっぱいをニップルチェーンで飾ったりして、彼女が動く度にそれがチャラチャラと胸の谷間で揺れたりするものだから、まだ膨らみきってないおっぱいとのミスマッチが妙に艶めかしく、うちのウルトラマンがすぐにでも暴れ出しそうになり、鎮めるのに苦労した。
なんで苦労ばっかりせにゃならん。
さすがにニップルピアスまではいかなくて、小豆ほどの小さな乳首に鎖を留めていたのはちょっと小さめのニップルクランプ。
痛くないんかい?
胸の飾りに加えて、細い首と両手両足にも枷を巻かれ、ボディハーネスで身を締められる彼女の姿は、まさしくこれから調教されるM女のよう。
でも、メグミちゃんの肌に特に目立った傷は見あたらないから、たぶん格好だけ。
そりゃそうだ。
レンに、女をシバくような根性あるわけない。
「どんな心境の変化なの?」
メグミちゃんに訊いてみた。
この豹変ぶりは、さすがにオレも予想できん。
「タカさんが教えてくれたんでしょ?ただでやらせたら強くなるよって。」
ああ。
そりゃ、確かにいったけどさ。
だからって強くなりすぎだろ・・。
レンを違う世界へ連れて行く気か?
「もう、お父さんなんかいらない・・、お兄ちゃんだけでいいんだ・・・。」
ひどく切なそうにメグミちゃんはつぶやいた。
潤んだ瞳までしてじっとレンを見上げ、それが嘘じゃないよといいたげに、となりのレンにしがみつくと、胸を合わせて唇を重ねていった。
舌まで絡める濃密なキス。
おい、レン・・・お前、ガウンの下で暴れ出してるぞ・・。
もっこりと膨らんでいったあいつの股間。
つうか・・。
「もしかしてさ・・。」
あまりにも昨日と態度が違いすぎる。
夕べは、いきなり病室ではじめていたふたり。
「お前ら、もしかして夕べからやりまくり?」
おそらくそう。
あきれたように訊いてみた。
「へへ・・。」
レンがだらしないほど顔を緩ませて照れ笑い。
メグミちゃんは、にこりと笑うと照れもしないであっさりいった。
「一晩中してたら、看護師さんに怒られて病院追い出されちゃった♪」
「はは・・・。」
あたりめえだ・・。
メグミちゃんは、いつまでも甘えるようにレンの胸に顔を埋めて離れなかった。
もう、どうにでもして状態。
その姿は、レンに絡みつくなよなよとした軟体動物そのもの。
細い腕がレンの胸をなで回したり、股間の上をなぞったり。
まだ、始めるんじゃねえぞ・・。
一晩可愛がってもらっただけで、女ってこんなに変われるもんなのかね?
それだけ信頼出来る男を得たってことなのかもしれない。
「メグミがこんなに素直になってくれたのも、みんなタカのおかげだよ。」
妹の頭を撫でるレンの顔には終始満面の笑み。
そりゃよかった。
しかし、だからってお前、妹にその格好はねえだろ・・・。
お前らいったいどこへ向かう気だ?
あきれて溜息しか出てこなかった。
まあ、感謝してくれるんなら、こっちも話しがしやすい。
「だったらさ、感謝ついでに、ちょっとオレのお願いを聞いてくんない?」
やっと本題に入れる。
ここまでの話しが長げえこと・・。
だからいつまで経っても、この小説終わらねえんだよ・・。
「なに?タカのお願いだったら、なんでも聞いちゃうよ。」
上機嫌のあいつは顔から笑みが消えない。
まったくの間抜け面。
まだ、コイツは気付いていなかった。
「そっか、じゃあさ・・・。」
だが、オレは気付いちまったのさ。
「なあに?」
お前が隠していたことにな。
バカ面かますアイツを鋭い目で睨んでた。
「コトリのビデオを出せ。」
レンの顔が、一瞬で引きつった。
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