7)
プルルルルルルル・・・ プルルルルルルル・・・
プルルルルルルル・・・ プルルルルルルル・・・
スピーカーからは相手を呼ぶ音がただ続く。
プルルルルルルル・・・ プルルルルルルル・・・
プルルルルルルル・・・ プルルルルルルル・・・
どのくらいだろう。スピーカーは呼び出し音だけを伝え続ける。
もう結構な時間同じ音が繰り返されていた。
曇り行く面差し…
これ以上つづくと不在扱いになると不安になる心を察してか
『もしもし…』
やっと相手に繋がった。
どんよりと曇っていた表情は聴きなれた声に一瞬でパァっと
赤みがさし。一気に晴れ渡る。
『やっぱりちょっとかなわないよな』
そんな感傷についつい耽ってしまう秋久。
「もしもしお母さん?わたし。利奈」
声までも春の装いだ。
『利奈。どうしたのこんな時間に。それも沢木さんの携帯から…』
利奈はチラっと視線を上げた。秋久も利奈の視線を追うと
それは時計に注がれていると判る。
時刻は午後9時を少しばかりまわっていた。
「お仕事中ごめんなさい。いま大丈夫?」
『少しだけなら大丈夫よ。なぁに?』
「今お夕飯が終わったところ。沢木さんがなんの連絡も無く
遅く帰ってきたらこんな時間になっちゃったんだよぉ」
確かに夕食はいまさっき終わったばかりだが
まさかその前に食事も忘れてえっちなことをしていたなんて
間違っても言える筈もなく。
言い訳しながらチラっとナナメ上目遣いの利奈に秋久は
今更ながらドギマギしてしまう自分がなんだかちょっと可笑しかった。
言い訳の原因が秋久にあると訴える利奈の視線に
頭の後ろに右手をあてて苦笑を浮かべて首だけをヘコヘコと動かした。
きっと【済まないねぇ】と言いたいのだろうそれを
ジェスチャーで伝えた。
『仕方ないわね…』
利奈の耳にあてられたスピーカーから漏れてくる母親
由美の言葉は秋久にも届いている。
改めてこの親子の信頼関係がここからうかがい知れるというものだ。
少女というにはまだ少し幼い女の子がこんな時間に
近所というだけのまったく赤の他人の男の部屋に上がりこんでいる
ことを、娘の言葉。声だけで許してしまう母親も少ないだろう。
「お母さんはまだお仕事終わらないの?」
語尾のトーンが堕ちる。それが素なのか演技なのか。
『夜勤だった人が急に来れなくなっちゃったからね。
夕方に電話でも話した通りで、明日の朝9時までは
仕事場に居ないとならないの』
「そっかぁ…」
やはり淋しそうだ。この辺はまだまだ11才。
小学6年生の女の子なのだろう。
由美もその声色から察したらしい。
『どうしたの急に。もしかして淋しい?』
「うん。ちょっとね。お母さんが夜に居ないって
あんまりなかったし…」
『ごめんね。利奈』
母親も淋しい。というか済まなそうな声。
「ううん。いいの。私なら大丈夫だよ。
お母さん明日はお休みでしょ?家のことは私が全部するから
お母さんは心配しなくていいよ。明日は寝てたっていいからね」
『ありがとう。助かるわ。でも無理しないでいいからね』
「お母さんこそ無理しないでね。私、出来ることはやるから」
『それじゃ明日は利奈に任せちゃおうかな?』
「うん!まかせてまかせて!!」
母親に頼られたのがよほど嬉しかったのか、まるで飛び跳ねる
かのように体全体で喜びを表現していた。
眩しすぎる笑顔はこの親子が本当に仲が良く信頼しあっているんだと
判りすぎるくらい伝わって来るというものだ。
『でも利奈』
「ん。なぁに?」
『あんまり遅くなるんじゃありませんよ?
沢木さんに迷惑だから』
「はい。でもこれから後片付けしなきゃ」
沢木としては全然迷惑じゃないし、むしろまだまだ
利奈と一緒に居たい。出来れば明日の朝までずーっと
二人で居たいて、朝までずーっと…
「その後ちょっとだけ遊んでから帰るね。
帰ったらお家からまた電話します」
やはり帰ってしまうようだ。秋久としてはガックリだが
ここで無理に引き止めて二人の関係が壊れてしまう訳にはいかない。
というか二人の関係が母親の由美に知られれば、その先どうなるか
想像するのも恐ろしいことになりかねない。
『そう。判ったわ』
由美もその言葉に安心したようだった。
『ちょっと沢木さんに変わってもらえる?』
「はい。」
利奈が携帯を差し出す。
「はい。沢木さん。お母さんが変わってって」
自分の携帯なのに受け取るのに何故かドキドキしてしまうのは、
やはり利奈との関係があるからだろうか。
「はい。沢木です…」
何故か嫌な沈黙が沢木の携帯のスピーカーから流れる。
たぶん、時間にすればほんの数秒の間。
鼓動が高鳴る。沢木には嫌な間だった。
『沢木さん』
「あ、はいっ」
なんとなく冷たさを感じた由美の声に
変に早口であせった返答をしてしまった沢木の緊張が伝わったのか
かるく失笑されてしまう。
『ふふふっ』
この笑いで沢木の緊張はやわらいだ。
『娘がご迷惑をおかけしてます。違いますね。
娘を押し付けてしまってごめんなさい。
親類が近くに居れば頼るんですけど…』
この二人には近くに頼れる親戚が居ない。
それはそれで大変なのだろうことは想像に難くない。
「そんな。いいんですよ。どうせ一人ですから。
困った時にはお互い様です。遠くの親戚より近くの他人って
言うじゃないですか」
本当に他人だけど。と心の奥底で思いながら
その赤の他人の大切な一人娘と口外出来ない間柄だなんて
嬉しくもあり。
しかしその相手が未成年も未成年の小学6年生だということが
恐ろしくもあり。
『今回はお言葉に甘えさせて頂きます。
このお礼はいずれ必ず…』
「そんな。気にしないでください。ホント」
すると電話の向こうからなにやら声が。
『あ、長くなってしまってごめんなさい。
そろそろ仕事に戻らないとならないので…』
「あ、はい。それでは失礼します」
『失礼します』
電話を切ると傍らに居たはずの利奈の姿はすでに無く。
台所からは食器を洗う音が聞こえてきていた。
その様子を覗くと鼻歌まじりで食器を片付けている利奈の
姿がなんだかとても楽しそに見えた。
「どうしたの秋久さん」
秋久の視線を感じたのか手を止めて振り向いた。
笑顔だ。
「もうちょっと待っててね。片付け終わったら
ちゃんとお相手してあげるから」
肩をすくめてクスっと笑う。
「りぃなぁ~」
戒めようとする秋久に「あはは」と笑って視線を戻した。
「またお仕置きぃ?今度は私の番だからね。んん?
えーっと。秋久さんの番…じゃなくて」
手が止まる。台所の蛍光灯を見上げて少し考え込んだ。
「私が秋久さんにお仕置きする番ね」
言葉の後ろに音符が付きそうな言い回しで
多分いまの状況は利奈にとって本当に楽しいのだろう。
蛇口から水の出る音が消えると利奈の姿が部屋に戻った。
先ほど利奈を押し倒したソファに座る秋久の横に腰を下ろすと
両手をパーカーのポケットに入れてさすっていた。
「どうしたの利奈。寒い?」
春先とは言え水仕事の後だ。やはりまだ少し
冷えるのかもしれない。
「うーん。それもあるんだけど、冷たい手で秋久さんにさわるの
可哀相かなぁって思ってあっためてるの」
「優しいんだな利奈は」
「あ、でも。それじゃぁおしおきにならないよね?」
イタズラっ子っぽい表情で見上げてくる仕草が可愛くて
またソファーに押し付けようとすると、利奈は秋久の胸元から
するりと下へ逃げて目の前に仁王立ちになった。
「利奈?」
「だぁーめ。今度は私が秋久さんにおしおきするんだから」
頬をほんのりと染めて笑顔の利奈は本当に楽しそうだ。
しかし何故おしおき?気になった秋久は訊いてみる事にした。
「なんでオレがおしおきされなくちゃならないんだよ。利奈」
「帰ってくるの遅かったし、それに…」
急に顔が真赤になってうつむいてしまう。
続きを急かしたかったが秋久はあえて待つことにした。
もじもじとしながら利奈は小さな声で言葉をつむいだ。
「さっきムリヤリ犯されたから…」
『っ!』
いや、無理矢理ではないが。確かに利奈の思いを無視して
攻め立てたことは間違いない。
それよりも“犯された”という言葉が何より刺激的だった。
「もっとやさしく。ゆっくりシテ欲しかったのに…」
温泉で全てをさらけだして、お互いに快楽を求め合った
間柄であってもそこはやはり女の子。恥じらいがあるのだ。
そして利奈も秋久と同じ。あるいはそれ以上に二人の時間を
少しでも長く大切に過ごしたいと思っているに違いなかった。
それを思うと確かにさっきはちょっと自分本位だったのかもと
秋久も思い直した。そう思うと自然と手が伸びた。
抱き締めて頭をなでてあげたくなった。
しかしその手を利奈はまたするりとよけた。
「利奈…」
嫌われたかと思って焦ったがそうではなかった。
「ダメだよ。今度は私が秋久さんにおしおきする番なんだから」
「オレはどうすればいい?」
そう言った瞬間、利奈の表情が一変した。
真赤だった頬は元に戻って、やさしい目元に対して
口元が少し上がって、ちょっとゾクっとするような。
これから何が始まるのか。利奈はどのようなおしおきを
考えているのか。期待と不安が入り混じり、妙な高揚感が
秋久の中枢神経を支配した。
「そのソファーに寝て。仰向けだよ…」
言われたままにさきほど利奈を押し付けたソファに
仰向けで横になると、次の指示が飛ぶ。
「今度は私が秋久さんを犯すんだからね。
秋久さんは抵抗したらダメなんだからね。
私にさわるのもダメだよ。
ただ黙ってじっとしてなくちゃダメ。約束、出来る?」
約束というよりそれはもう強制だ。
否定することは許されない。
「ああ、約束するよ…」
「まずはズボンをおろして」
言われるままスウェットを腰からおろした。
ボクサーパンツに包まれた下半身はあらわになる。
「いやらしい。もうこんなにして…」
利奈の右人差し指が指し示す先にあるのは
黒いボクサーパンツに隠されていても判るくらい
完全に脹らみ切って形までも浮き出ているように見える股間。
「さわってほしいの?」
利奈の顔が秋久の股間に近付く。
期待に脹らみ切ったそこは、ときよりヒクヒクと反応を見せる。
もう少しで唇が触れるところまで来たところで利奈は
秋久を見上げるように首をまわした。悪女っぽい笑顔を浮かべて。
「ふふふふっ。そんなに硬くならなくてもいいよ…」
確かに秋久は硬くなっていた。股間以外も。
利奈のニヤニヤが少し怖い。すると太股の間に
突然冷たい感触が伝わり背中にゾクゾクと悪寒が走り
股間も大きく反応してしまい、利奈の頬を軽く叩いた。
すぐに利奈が右手を足の間に差し入れたのだと判った。
「ふふっ。びっくりした?それとも…」
「うっ・・・」
差し入れられた手が秋久の太股をゆったりとなでまわす。
「り、利奈…」
「なぁに?」
表情を変えないまま利奈の右手は螺旋を描きつつ
秋久の股間に近付いていく。
「あっ。利奈・・・」
もっとも近付いたところで利奈の手は秋久の太股の付け根を
深く潜り込んだり抜き出されたりを繰り返す。
「利奈。こんな、こんなに。ああっ・・・」
秋久からも。そして秋久の顔を見詰める利奈からも見えないけど
股間は激しく反応している。それはきっと股間と共に
ピクピクと反応を見せる太股に手をおいている利奈にも
伝わっているはずだ。
『で、出そう……』しかし声には出さない。
押し寄せる射精感を必至に抑えるために上半身を反らせる秋久
を見てまた利奈は小さく笑った。
「ふふ。秋久さんもう出そうなの?私はこれで何回か
少しイってたんだよ……」
利奈の手が止まると秋久の緊張も和らぎ
仰け反っていた体から力が抜けた。
「り、利n」
何かを言おうとするとまた利奈の手が動き出した。
「こういうのはどう?秋久さん」
「ああっ!利奈!!」
利奈の手はついさっきと同じ動きしかしていないが
今度は親指の爪がパンツの上からではあるが肛門から袋の中心、
陰茎の裏側の中心を軽いタッチで往復を繰り返す。
引き上げる時より差し込むときに爪がひっかかるような
感覚が陰茎の裏を強く刺激した。
「利奈、どうせなら握ってくれっ」
ゆっくりと近付く利奈の顔。
「だぁめ。秋久さんは命令できないんだよ。
今は私がおしおきしてるんだから…」
「そ、そんなっ」
「そんな生意気なことを言う口は塞がなきゃだよね」
「利nんんっ」
利奈の左手が秋久の後頭部を優しく抱き締め
利奈の唇が秋久の唇に押し付けられた。
もうこれ以上の発言を許す積もりは無いという意思表示だ。
二人の荒い息遣いだけに支配された部屋。
利奈の右手はまだ秋久の股の間で同じ動きを繰り返していた。
どのくらいそうしていたか。利奈の唇が開き秋久の唇を包むと
舌が差し入れられ秋久の歯と歯茎を舐め回すように動く。
秋久も利奈の舌を受け入れようと口をあけようとするが
首の後ろから回された利奈の左手が顎を押さえてそれを許さない。
秋久は自分の意思で利奈を受け入れることは出来ないのだ。
全ては利奈の意思でコントロールされている。
そんな口づけが続く中、利奈の右手の動きが変わった。
手のひらの全てを使って秋久の股間全体を撫で始めたのだ。
直接触られていないにも関わらず、少しでも気を許したら
下着の中で射精してしまいそうになる。
だがもういつでも発射してもおかしくないくらい
射精感は高まっていた。下半身の反応でそれを悟ったのか
利奈は秋久の顎を抑えている左手の力を抜いて舌を秋久の口内へ
進入させつつボクサーパンツの中から秋久の陰茎を大気の中に
開放した。
まだまだ小さな手で陰茎をくるむように掴むと
無遠慮に上下にしごき始める。
同時に秋久の口内では利奈の舌が秋久の舌を求め、絡め。
ネチネチといやらしい音を立てていた。
自分でするオナニーなら自分のタイミングでイクことが出来るが
今は最後の瞬間を自分でコントロールすることは出来そうに無い。
『嗚呼利奈、気持ちいいよ。気持ちよすぎて我慢出来ない!』
そう思ってもこんなに早くイクのも悔しい。出来るだけ我慢する。
するとその我慢を感じ取ったのか利奈の右手は単調な上下運動から
変化を見せた。亀頭に達した時に親指を曲げて亀頭の割れ目を
まるで飛行機の操縦桿の上にあるボタンを押すように刺激して
そのまま亀頭をさするように下へさげるのである。
それも毎回ではない。不定期に。時に強く。ときに
優しくなでるように。
流石にこの攻撃には態勢が保つことが出来なかった。
我慢していたことも手伝ってか殆ど噴火に近い感覚が
秋久の陰茎を襲う。塞がれた口をモゴモゴさせて
その瞬間が来たことを必至で訴えると
突然利奈は唇を離した。
利奈の右手が加速する。
「出しちゃっていいよ秋久さん。
いって!いっちゃって!!」
「あっあああーーー!」
勢い良く放たれた精液の一部は利奈の髪を汚し
残りは秋久のシャツと、顔面まで飛散した。
今回も長い射精だった。それはまるで尿意のように
ビュルルルー という表現がお似合いの放出。
未だにドクドクと脈打つ陰茎の先からは
出し損ねた精液が溢れている。
「こんなに汚しちゃって。秋久さんの、えっち・・・」
また近付いてきた利奈の顔。口付けをすると
秋久の顔面についた精液をなめ取って、今もまだヒクつく
亀頭を咥えると軽く吸った。
「あっうぅ」
その感覚にまた少し射精してしまう。
もう何も出なくなるまで亀頭に吸い付いていた利奈は
秋久の股間から顔を上げるとまた口付けを交わし立ち上がった。
「シャワー借りるよ?」
「あ、ああ」
脱力の中でやっとそれだけ返事をした。
「覗かないでね?」
「ああ」
シャワーの音が部屋まで聞こえてきた。
『犯されるのも悪くないなぁ』
そんなことを思いながらふらふらと立ち上がって
風呂場の前まで行く。
脱衣カゴの中にある小さなボーダー柄の布を拾い上げると
それを持ったまま部屋に戻ってソファに座る。
改めてその布を広げてみる。広げても小さかった。
「利奈・・・」
中を見ると中心にシミが広がっていた。
「利奈も感じてたんだな」
その布。利奈の下着を左手に丸め鼻先に押し付けると
右手で今射精したばかりの陰茎を握った。
あれだけ出したにも関わらずむくむくと起き上がる陰茎を
激しくさすった。
利奈のシャワーがどのくらいかかる判らないので
2回目に時間をかけるわけにはいかなかった。
利奈の股間を覆っていたそこは軽い尿の匂いと、
幼いクセに女の匂いがして次の爆発までそれほど時間は
かからなかった。
「利奈、利奈、利奈!」
いつかこの下着に包まれた秘部に自分の醜い槍を
突き立てる日が来ることを思いながら、秋久は
今日2度目になる激しい放出を迎えるのであった……
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