恵美は顔を伏せたまま、モジモジと体をくねらせていた。
手でブラウスの裾を引っ張っても、丈が足りず割れ目を隠しきれない。
しかたなく恵美は、産毛のような陰毛が生えた恥丘と、ぴったり閉じた割れ
目を手で隠しながら立ち尽くしていた。
「モジモジしてても掃除はできねーぞ。さっさと後始末してもらおうか」
「はい・・・」
恵美は運転手に背を向けてタオルを手に取った。
(こっち向きならお尻を見られるだけだよね・・・我慢しなきゃ・・・)
まずはしゃがんで足元の水溜りを拭き取る。
床のおしっこがタオルに吸収されていく。
続いて座席の汚れに向き合った。
恵美のお尻のあった場所に大きなシミが出来ている。
軽くため息をついて、腰をかがめながら座席を拭き始めた。
それは運転手の方にお尻を突き出す格好であり、お尻の穴から割れ目にかけ
てが隠す物なく晒されていた。
懸命に座席を拭うたびに腰が微妙に動き、運転手に見せつけるような形にな
っていた。
「ふん。子供だと思ってたが、下の毛もちゃんと生えてるじゃねーか。まだ
まだ生え揃ってはないみてーだが、毛が生えた奴がお漏らしするとはな」
「ひゃっ!」
割れ目を晒していたことを気づかされた恵美は、小さく悲鳴を上げながらそ
の場にしゃがみ込んだ。
「お嬢ちゃんも見た目よりずっと大人だなー」
運転手はガハガハと下品に笑った。
割れ目を見られたこと、発毛していることを屈辱的に指摘されたこと。
羞恥心が限界を超えた恵美の目から涙があふれ、しゃくりあげながら泣い
た。
経験した事のない恥ずかしさ。屈辱。
ただ涙だけが流れた。
「まだ汚れてるようだが、もう掃除は終わりにするかね?」
恵美はぺたんと座り込んだまま泣き続けていた。
「チッ。しかたねーな」
運転手が前の方に行き、帰ってきたその手に洗剤が握られていた。
「ほら。泣いてたら終わらんだろう。これを貸してやるから座席の汚れを綺
麗にするんだ」
そう言って洗剤を突き出す。
恵美は涙でぐちゃぐちゃになった顔を上げた。
「これで拭いて綺麗になったら終わりにしてやる」
涙をブラウスの袖で拭いながら洗剤を受け取った。
「分かりました・・・」
このペナルティの終わりの形を運転手が示したことで、恵美は少し余裕を取
り戻してきた。
(これで終わり)
恵美はそう自分に言い聞かせて、床に座り込んだまま座席の掃除を再開し
た。
「その洗剤は強力だからな。量を間違えるんじゃねーぞ」
「・・・はい」
恵美は恐る恐る洗剤を使って拭き始めた。
強力な洗剤。その言葉は偽りではなく、拭けば拭くほどにシミが除れていっ
た。
(すごい・・・これなら綺麗になる)
恵美はすばやく全体を拭き、ラストスパートとばかりに細かいシミを拭いて
いた。
すべての作業が終了する直前、恵美は異変に気づいた。
座席のシート(赤)が見る見るうちに真っ白になっていく。
タオルで拭いた場所が変色し始めていた。
(え!なぜ!?どうして!?)
恵美は血の気の引く思いがした。
白くなっていく場所を必死で拭いたが変色は止まらず、シートはまだら模様
になってしまった。
(そんな・・・そんな・・・)
真っ青な表情でシートを見つめる恵美に
「綺麗になったか?・・・うん、こりゃどういうことだ!?」
運転手は大げさに驚いて見せた。
「お嬢ちゃん。量を間違えるなといっておいたはずだよな?」
恵美はわなわなと震えながらシートを見つめていた。
「こんなになっちまったらもうダメだな。お嬢ちゃんのせいでシートが使い
物にならなくなったな」
「そんな・・・!違います!私は少し使っただけです!」
「少しでこんなになるかよ」
「それは・・・」
確かに焦りもあり、少し調子に乗って使ってしまった感覚があった。それを
自覚しているだけに恵美は言葉を詰まらせてしまった。
(フフフ・・・責任を感じてるようだな)
運転手は内心で笑った。
元々、バスの外壁を洗うための洗剤だ。シートを洗えば漂白効果もあって変
色するのは分かっていたのだ。
「明日、両親に来てもらうか」
「え・・・?」
「お嬢ちゃんのせいでこのシートは交換するしかなくなったんだからな。俺
は自腹を切りたくないし、来てもらうしかないな」
「そんな・・・待ってください。約束が・・・」
「綺麗に後始末できたら許してやるといったんだ。シートをこんなにしてお
いて約束も何もないだろうが」
恵美は無言で俯いた。
諦めの表情が広がっていく。
「だが」
運転手はにやつく顔を引き締めながら
「まぁ他の物を綺麗にできたら許してやらんこともない。お嬢ちゃんもここ
までしたんだ。諦められんだろ?」
恵美は顔を上げて運転手を見た。
結果的に自分の不手際でシートを使い物にならなくした。という思いもあ
り、恵美は責任を感じていたのだ。
「わ、分かりました」
「何でもするな?」
「何でもしますから両親には・・・」
「分かった。約束しよう」
「あ、ありがとうございます!」
恵美は頭を下げて喜んでいた。
運転手はそれを見下ろしながら、我慢に我慢を重ねてきた口元がいやらしく
ゆがんだ。
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