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ロリータ 官能小説

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2
投稿者:可愛い弟子15Part2
◆8pDveiYQdk
<PM1850 またまたまたまたまた自宅アパート>


シゲさんは、すぐにやってきた。

なぜ、わかる?



「お前、しばらく役所に来なくていいぞ。」

はぁ?

のっけから右ストレート。


小さなテーブルを、はさんで向き合っていた。

テーブルの上には、麦茶のコップ。

「まだ、仕事が残ってるんだ。お前に話すだけ話したら、すぐに戻らなけり
ゃならん。」

ウイスキーでも出そうと思ったら、そう言って、シゲさんは遠慮した。

ほんと・・気の毒なくらい忙しい人だ。

今日も、渋いスーツで決めている。



「どういうこと?」

いきなり「来なくていいぞ」と言われて「はい、そうですか」と答えるバカ
はいない。

「言った通りの意味だ。お前は、明日から登庁しなくていい。課長の野呂さ
んには、オレから事情を説明しておいた。」

「事情って?」

「お前を、オレの下でしばらく使う、ってな。」

シゲさんは、本来ならオレがタメ口きけるような人じゃない。
遙か上の上司で、紛れもない殿上人だ。
同じ課長職でもポストによっては、就ける人と就けない人がいる。
秘書課の課長は、その中でも最高位の職位ポストだ。
シゲさんは、課長ではないが、実質、権限は、秘書課長なんかよりはるかに
大きいものがある。
長年の慣習から来る年齢制限が、たんに彼を今のポストに留めているに過ぎ
ない。
その足かせがなくなったとき、シゲさんは、今よりもさらに高い所へ、大き
く飛翔する。
ちなみに、野呂課長とは、今朝の電話の相手で、直接のオレの上司だ。
立派な準キャリアだが、とうに出世を諦めて、定年を指折り数える気の毒な
ジイ様だ。

シゲさんの下で、直接働けるようになったのは、嬉しい。
オレがこの世で2番目に尊敬する人だ。
だが、野心家であり、策士でもある彼は、何を考えてるのかわからないとこ
ろがある。
現に、この二日間は、シゲさんの言葉に翻弄されっぱなしだ。
手放しで喜ぶこともできない。


「事情が変わったって言ってたけど、役所に行かない理由は、それに関係あ
るの?」

「その通りだ。」

「で、役所に行かないで、オレは何をすれば?」

「別に、何もしなくていい。」

出たよ・・・・。

相変わらず、人を煙に巻くのがお好きなようで・・・・。

「何もしなくていいって、どういう事?」

「今まで通り、あのふたりを監視してくれればいい。ただ、事態が切迫して
きて、それほど余裕がなくなった。あのふたりを、四六時中監視する必要が
出てきたんだ。それを、お前に頼みたい・・・・。」

「四六時中って・・・・そんなの無理だよ・・・。昨日も言ったけど、片方
は勤め人、もう片方は学校に通う女の子じゃ、同時に見張るなんてことでき
ないよ。」

「同時に見張る必要はない。娘の方は、幸い通っている学校が近いし、あそ
こは防犯意識も高く設備も整っているから、それほど神経を使う必要もない
だろう。登下校は、集団が決まりだし、家も近いから途中でひとりになるこ
ともない。注意を払うとすれば、家に戻ってからと、学校のない週末ぐらい
だ。」

シゲさんの話し方に妙な違和感を覚えた。

「防犯意識とか、ひとりになることはない、とか、なんだかコトリちゃんが
誘拐されそうな言い方だけど・・・・?」

シゲさんの目つきが変わる。

鋭い目を向けてきた。

しかし、何かを言いたげな素振りを見せるが、なかなか口を開かない。

思考を頭の中で巡らせてる感じだ。

オレに向けて、指を2本立て、その指を閉じたり開かせたりする。

タバコを吸わないオレの部屋に灰皿はない。

キッチンに行き、缶ビールの空き缶を持ってきて、シゲさんの前に置いた。

シゲさんが、内ポケットからタバコを取り出し、火をつける。

大きく吸い込んでから、大量の煙を吐き出した。

たぶん、コレはシゲさんが考え事をするときのクセなんだろう。

しかし、もったいぶった人だ。

政治家には、こういった演出も必要なのかもしれない・・・・。

「タカ・・・・。」

「はい・・・。」

「今から、お前に話しをする前に、確かめておきたいことがある。」

ひどく目つきが怖かった。

まるでオレを敵のように睨んでいる。

「確かめ・・・たいこと?」

「お前、シホをどう思ってる?」

いきなり来たよ。

シホ!

呼び捨てかよ・・・・。

シゲさんの目には、返答次第では、っていう、なんだかわからない不気味な
怖さがあった。

急に、思いがけないことを訊ねられて、言葉に窮した。

「どう、思ってる・・・て・・・・」

「はっきり言おう。お前の返事次第では、今回お前に頼んだ話は、聞かなか
ったことにしてもらう。」

「どうして?・・・・。」

「そんなことは、聞いてない。オレの質問に答えろ。」

有無を言わさない迫力があった。

「シホさんは・・・好きですよ・・・。」

「好きとは?」

「えっ?」

「お前の好きってのは、どのくらいを言ってるんだ?」

「どのくらいって・・・・」

そんなのわかんねえよ。

言葉に詰まっていると、シゲさんが、しょうがねえヤツだって、言いたげ
に、身体を後ろに倒していった。

後ろに置いた両手で身体を支えながら、じっとオレを見つめている。

「なあ、タカ。これだけは言っておくぞ。シホとお前がどんな関係になった
って俺はかまわん。だがな・・・これだけは覚えておけ。中途半端に好きに
なるなら、彼女には近づくな。それは、俺が許さん。」

「どうして?」

「お前が、心配だからだ。」

「心配?」

「ああ、そうだ。」

それ以上、声が出なかった。

気迫に飲まれていた。

シゲさんが、大きく息を吐いた。

すぐに表情を和らげていく。

「でもな、俺は、お前みたいなヤツこそ、彼女に相応しいとも思っている。
お前みたいに、強くて、優しいヤツがな・・・。」

最後の方は、ひどく優しい眼差しだった。

その眼差しのままにシゲさんがオレを見つめる・・・・。

「彼女を、ずっと好きでいつづける自信があるか?」

優しい声だった。

オレは、答えなかった。

ただ、シゲさんの瞳だけを、正面から見つめていた。

「何があっても、彼女の支えになりつづける自信があるか?」

シゲさんは、オレの答えを知っている。そんな感じだ。

「彼女を、命がけで守ってやれるか?」

覚悟を決めろと、瞳がオレに言っていた。

小さかったけれど、オレは、そこだけ、しっかりと頷いた。

「そっか・・・・・・・。」

シゲさんは、後ろに倒した身体を両手で支えながら、天井を仰ぎ見た。

しばらくの沈黙。

「じゃあ、命がけで守ってもらおうか・・・・・・・。」

え?

「いいか、タカ。」

身を乗り出してきた。

「ケガをされても困るから、もしものために、お前にだけは教えておく。」

ただならぬ、表情だった。

さっきまでとは打って変わって、ひどく真剣な顔だ。

鋭い眼差しがオレを見つめる。

シゲさんが口を開いた。

「あの親子は、この数週間内に拉致される可能性がある。」




「拉致!?」

息を呑んでいた。

「そうだ。相手は聞くな。だが、あの親子に危険が迫っているのだけは間違
いない。あのふたりを命がけで守れ。この役は、お前にしかできな
い・・・。」

「拉致って、いったい・・?」

「事情も聞くな。いずれ時が来たら話してやる。」

「しかし・・・」

「俺は、あの子に約束したんだ。必ず守ってやる、と・・・・・・。もう、
あの子を悲しませたくはないんだ・・・・・・。」

あの子・・・・。

「シゲさん・・・・・・。」

シゲさんは、タバコを薫らせる。

自戒するように、大きくため息を吐いて視線を下げた。

「本来なら、俺がやるべき事なんだがな・・・・。もう、勝手気ままに動け
る立場じゃない。面倒くさいもんだ。だが、お前がいてくれて助かった。う
まい具合に、お前たちが、くっついてくれたおかげで、こっちも、だいぶ楽
に動けるようになった・・・・。」

「シゲさん、俺とシホのこと気づいてたの?」

シゲさんがニヤリと笑う。

「ああ、たまに探りを入れてたからな。お前がこのアパートに引っ越したの
も、知っていた。度々お互いの部屋に出入りするようになったのも
な・・。」

度々探りって・・・・。

シホが、言ってた変質者って、アンタのことじゃねえのか?

「この前、シホに会って確信したよ。はっきりと口にはしなかったが、お前
のことを訊ねたら、真っ赤になって俯いていた。バカでもわか
る・・・・。」

「じゃあ、この前、体育館で会ったって・・・・。」

「まあ、それだけじゃないんだが、お前のことを確認したかったのも確か
だ。」

「だったら、直接オレに訊いてくれれば・・・・・。」

なんもいらん心配しなくてすんだのに・・・。

「お前みたいにストレートの剛速球しか投げれんヤツに聞くわけにはいかん
よ。これは、非常にデリケートな問題なんだ。」

はいはい、どうせバカですよ。

「とにかく、あのふたりを守れ。それには、お前のその拳が必要なん
だ・・。」

どんな事情があるのかは知らないが、シゲさんがこれほど言うからには、あ
のふたりに危険が迫っているのは間違いないんだろう。

「あのふたりは、自分たちが危険だって事は、知ってるの?」

「いいや、知らないはずだ。」

はず?

「たぶんな・・・・」

シゲさんの瞳に一瞬だけ、暗い影が宿る。

「シゲさん・・・どうせ訊いても教えてくれないんだろうから、オレも、も
う深くは訊かないけれど、でも、小さな事でいいから、多少なりとも教えて
もらえると、こっちとしてもありがたいんだけど・・・。」

あのふたりが危険なのは、わかった。

だが、まったくの徒手空拳では、こちらも不安だ。

「わかった。教えられるだけのことは教えてやろう。まず、ふたりとも危険
だが、特に危険なのは娘の方だ。」

コトリ!?

「な・・!?。」

・・ぜ、と訊ねそうになって、慌てて声を引っ込めた。

シゲさんがじろりと睨む。

すいません。続けてください・・・・

「だが、場合によっては、母親の方、つまりシホの方が危険になる。」

??????

シゲさん、禅問答じゃないんだから・・・・。

「特にシホには注意しておけ。コトリちゃんの方が危険だが、監視に重点を
置くならシホの方だ。」

「これは、なんかのクイズなわけ?全然意味がわからないんだけど・・。」

「正直なところ、俺にもわからんのだ。」

困り切ったような顔をしながら、シゲさんが小さくため息をついた。

「実を言うとな、拉致されるかどうかもわからん。」

なんだそれ!?

「現段階では、可能性が高い、と言うだけで確証はない。すべてが憶測でし
かないんだ。」

今度は、オレの方が身体を倒していた。

なんだよ、それ?

じゃあ、まったくなにもわからないって事じゃないか。

「しかし、ある時期から、その可能性が非常に高まったのは事実だ。そし
て、今は危険度がもっとも高いレベルにある。確証がないからと言って、何
もしないわけにはいかない。そんな場合じゃないんだ。何か起こってからじ
ゃ遅いんだよ。」

確かに。

「もし、奴らが動くとすれば、それは、ごく近い時期だろう。奴の性格から
しても、それは、まず間違いない。」

ヤツ?シゲさんは、相手を知っている?

「タカ。」

「はい。」

真剣な眼差しが向けられる。
瞳の中に少しだけ不安の色があった。

「もし、仮にあのふたりが襲われたとしたら、襲撃者の中のひとりは、間違
いなく手練れだ。油断するな。無理はしなくていい。自分だけでは勝てない
と判断したら、迷わず俺に連絡しろ。何があっても必ず助けにい
く・・・・。」

シゲさんは、そう言うと、もう話すことはないと言いたげに、タバコを空き
缶に投げ入れた。

結局たいしたことは、わかんねえな・・・・。

でも、シゲさんとふたりなら心強い。

シゲさんは、「春雷重丸」と警察官たちからも、畏怖されるほどの凄腕の剣
士だ。

ゆったりとした構えから、一瞬にして相手を切り裂く高速の太刀筋が、穏や
かな春の空に、突如、閃光を走らせる稲妻に似ていることから、そう呼ばれ
ている。

それに剣道3倍段と言われるほど、有段者に武器を持たせたら、まず、かな
う奴はいない。

シゲさんほどの高段者なら、なおさらだ。

えっと・・・・6段の3倍だから・・・18段!!

すげっ!多変速ギヤのチャリンコ並だ。

やっぱ、速そ・・・。

シゲさんが立ち上がりながら、タバコをポケットへとしまっていく。

「タカ、この件が片付くまでお前は自由だ。2度目の休暇を楽しんでこい。
その代わり、やることは、きちんとやっておけよ。」

へいへい。

「ああ、それとな・・・・。」

玄関で靴を履いていたシゲさんが振り返る。

「俺は、監視しろ、とは言ったが、調べろ、とは言ってないからな。気持ち
はわかるが、市民課であまり悪さすんなよ。」

そう言って、ニヤリと笑うと、シゲさんは、玄関を出て行った。




<PM1930 シホとコトリの部屋>

全部バレてやがる。

どれだけバケモノじみてるんだ、あのオッサン。

あらためて、あのオヤジの怖さにゾッとしたよ。

思いの外、シゲさんとの話に時間を食って、オレがシホの部屋を訪ねたとき
には、ふたりは、風呂に入っていた。

ほんとに一緒に入ったらしい。

「上がって、待ってて!」

玄関のチャイムを鳴らすと、玄関のすぐ右にある浴室の小窓から、シホの声
が帰ってきた。

ドアノブを回すと、いきなり扉は開いた。

お前、鍵くらい掛けておけよ・・・・マジで、さらわれるぞ・・。

玄関を上がって、キッチンに目を向けたら、テーブルの上には、土鍋を置い
たコンロがセットしてある。

えー・・・・今は、夏です・・・・。

中身は何かな、と、土鍋のふたを開けたら・・・・。

うわっ!!!

こ、腰が抜けた・・・・・・・・。

ダシの中でタコがまるまる一匹泳いでた。

な、何つくるつもり?・・・・・・。


浴室から聞こえてくるのは、楽しそうに、はしゃぐふたりの声。

あんな声を聞いていると、あのふたりが拉致される危険があるなんて、現実
のものとして実感できない。

いったい、こいつらには、どんな秘密があるって言うんだ・・・・・。

浴室のドアの開く音がして、まずコトリが出てきた。

脱衣所代わりの廊下のアコーディオンカーテンが開いて、いつもとは違う、
長い髪を下ろしただけのコトリが顔を出す。

「タカァー。」

身体にバスタオルを巻いただけ。

嬉しそうに走り寄ってきた。

お化粧は、しっかり取れたね。

でも、やっぱり素顔が一番可愛いや。

濡れた長い髪が、妙に色っぽい。

「着替えてくるから待っててね。」

自分の部屋に行こうとしたコトリの手を取って、腕の中に抱きしめた。

いい石けんの匂いがする。

唇を重ねた。

バスタオルの下に手を滑り込ませて、小さなお尻を撫でた。

「エッチ・・・・。」

唇を離すと、悪戯っぽい顔で笑いながら、コトリが小さく囁く。

エッチな方が好きでしょ?

コトリが、部屋に入っていくと、入れ替わるように、すぐにシホが浴室から
出てきた。

シホも身体にバスタオルを巻いただけ。

コトリと違って、頭にもタオルを巻いていた。

「ごめんなさい。パジャマ準備するの忘れてて・・・。」

はしたない格好を、恥ずかしがるように、シホがオレの前を通り過ぎようと
する。

前をふさいで、シホも腕の中に絡めとった。

唇を重ねていくと、かすかに抗うような仕草を見せる。

コトリを気にしているらしい。

観念しろと、尻を強く掴んで、引き寄せた。

現金なアイツは、復活を誇示するように、頭をもたげてシホの腹を押してい
く。

コトリと同じ石けんの匂い。

コトリと違うのは、手のひらに伝わる豊かなボリューム感。

小柄だが、お尻だけは人並みに大きいシホ。

唇を離すと、すがるような目が向けられる。

「ご飯・・・すぐにつくるね・・・・。」

シホは、恥ずかしそうに俯きながら、オレの腕を離れると、自分の部屋へと
入っていった。



見た目は悪いが、タコの鍋は、意外にうまかった。

これこれコトリ、頭からかじるのはやめなさい。

ぶつ切りにしたタコの足をみんなで、かじりまくり。

喉に流し込むビールのメチャクチャうまいこと。

シホが、甲斐甲斐しくビールを注いでくれる。

コトリも負けじと張り合っていた。

みんなでキャアキャア言いながら鍋を突っついた。

この幸せを奪おうとするヤツは、たとえ、どんな理由があろうと許さない。

かならず、ぶっ殺す!

楽しそうに笑っているアイツらを眺めながら、オレは心の中で、固く誓って
いた。



<AM0100 自宅アパート前の路地の中>


うぅー・・・眠たい!

眠い目をこすりながら、アパートの前にある路地に立っていた。

路地と言ったところで、人の入れる隙間がやっとあるくらい。

一軒家と一軒家の間にある狭い壁の隙間。

シホの部屋を監視していた。

道路をはさんだ向こう側、オレの正面にシホの部屋が見える。

(拉致される可能性がある・・・・・)

シゲさんは、そう言っていた。

もし仮にそれが本当だとすれば、人目のある昼間は考えにくい。

シホとコトリでは昼間の生活パターンも違う。

それに、ひとりずつでは、能率が悪いし、露呈する危険も倍になる。

その問題を解消するためには、夜だ。

それも深夜を狙うのが、もっとも安全で確実かつ効率的だ。

深夜ならば、あのふたりは間違いなく部屋にいる。

ふたりを同時に、さらうのにこれほど適した環境はない。

やるなら夜だ。

オレならば、そうする・・・・。

あまりにも情報が少なすぎて、相手の出方がわからなかった。

出方がわからないときは、自分に置き換えて思考するのがセオリーだ。

この辺りは、住宅地で家が密集しているが、夜になれば、ほとんど人気はな
い。

近くにコンビニや深夜営業の店がないから、深夜ともなれば、人の足は、ぱ
ったりと途絶えてしまう。

まれに、目の前の道路を、クルマが横切っていくだけで、不気味なくらいの
静けさがある。

今の時間ならば、鍵さえ開けることができれば、難なく、あのふたりをさら
うことができるだろう。

昼間は捨てて、監視の重点を夜間に置くことに切り替えた。

ひとりで監視するには、どちらかに絞らなければ、身体が持たない。

それにシゲさんが言っていたように、昼間は、シホもコトリも安全だと考え
られる。

どちらも人目の多い場所にいるからだ。

よほどのことがない限り、ふたりに危険が及ぶことはない。

オレは、そう考えていた。

夜に見張って、昼間に寝る。

コトリが帰ってくるくらいの時間に起きれば、身体もそれほど堪えないだろ
う。

それに滅多にないチャンスだ。

学校から帰ってきたコトリに、目一杯悪さしてやる。

あんなコトやこんなコトを教え込んで、めちゃくちゃエッチな女の子にして
やる!

なんてなコト考えてたら、起きてきやがった。

現金なヤツ・・・・。

昼間は、あんなに寝てたくせに・・・・。

お前と違って、オレは眠たいよ。

朝に2時間、夕方に同じく2時間くらいか?

オレは8時間以上寝ないとダメなのよ。超健康優良児だから。

しかし、それにしても腰が・・・・・。

ずっと立ち続けていると、超健康優良児でも、さすがに腰がやられてくる。

勃ちっ放しで平気なのは、お前だけ・・・。

明日、実家に帰って、折り畳みイス持ってこよ・・・・・。

わずかに伸びる外灯の光が、ぼんやりとアパートを照らしていた。

どの部屋も真っ暗。

シホたちも、きっと、ぐっすり眠っているに違いない。

そういや海上保安官さんも、陸上自衛官さんも、今頃は寝ているんだろう
か?

たまに上の部屋からは、夜中にギシギシと、音が聞こえたりする。

何度か駐車場で挨拶を交わしたことはあったけど、どちらも若そうで精悍な
顔つきをしていた。

どっちも可愛らしい奥さんだったなぁ。

お隣の奥さんは、まだ小さな赤ちゃんを抱いてたっけ。

あの奥さんの乱れたところを見てみたい・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

男のスケベって、永遠に変わんねえな。

今は、すごく恵まれた環境にいる。

一緒じゃないけど、シホとコトリのふたりを自由にすることができる。

そんな、幸せな環境にいて、なに言ってんだか・・・。

だから、この幸せを奪おうとする奴らは許さない。

出てくるなら、出てこい!

オレが、まとめて打ちのめしてやる!

ってか、早く出てきて・・・・・。

すごく眠たいの・・・・・・・。

って・・・・出た!!!

唐突にパジャマに、カーディガンを羽織った、シホが玄関から現れた。

なんだ、いったい!?

思わず、伏せるようにして身を隠した。

シホは、足音を殺すように、階段を下りていく。

駐車場を横切り、前を走る道路の左右を見渡した。

クルマが来ないことを確認した彼女は、小走りで道路を渡ってき
た・・・・。

「何してるの?」

「へっ!?」

目の前にシホが立っていた。


<AM0140 シホの部屋>



シホに腕を引かれて、部屋に連れて行かれた。

「一緒に寝るんなら、大きい方がいいでしょ?」

シホのベッドは、セミダブル。

玄関を開けると、中には薄明かり。

さっきまでオレがいたときと、なんら変わらない。

違うのは、コトリがいないことだけ。

コトリは、隣の部屋で、今頃、楽しい夢の中。

引き戸を開けて、寝室に入ると中は真っ暗。

シホが、ずっと腕を引いていく。

ベッドを後ろに佇むふたり。

「どうして、あんな所にいたの?」

シホが、オレのジーパンのベルトを緩めながら訊ねてきた。

なんと、答えればいいものか。

うまい答えが見つからない。

ジーパンを下ろされ、シホが足下に跪いていく。

すぐに手が伸びてきた。

愛しいものに触れるような、熱っぽい触り方。

ゆっくりとトランクスが下ろされる。

弾け出すバカ息子。

シホは、当たり前のように、手のひらに包んできた。

ひんやりとした冷たい手。

「重丸さん?・・・・・」

何も答えないオレに、下からシホが囁く。

答えを返す前に、ぬるりとしたものに包まれた。

温かくて柔らかい濡れた粘膜。

握りしめた手のひらと一緒に、シホが頭を動かしていく。

真っ暗な闇の中に響く、唾液を啜りとる、いやらしい音。

コトリとは、比べものにならないほど濃密な舌使い。

まるで命を持った生き物のように、舌が、まとわりついてくる。

座れと言いたげに、シホが軽く腰を押してきた。

ゆっくりと膝を曲げ、オレは、そのまま、ベッドに身体を横たえた。

仰向けになり天井を見上げながら、聞こえてくるのは、子犬がミルクを舐め
るような音と、苦しげなシホの息遣いだけ。

彼女は、ボタンを外すと、自分でパジャマの前を開いていった。

もどかしげに脱ぎ捨て、ブラも外して捨ててしまうと、今度は、下も脱いで
いく。

一糸まとわぬ生まれたままの姿になって、ベッドに上がってきた。

またオレのモノを口にして、そして、今度は、オレの顔を跨いでくる。

「舐めて・・・・。」

目の前にあるのは、あどけない顔には似合わぬ、生々しく、ほころんだ花び
ら。

さっきまでのシホと、今のシホが、まったく別の人格に思えてならない。

顔を近づけていくと、芳醇なメスの匂い。

引き寄せられるように顔を埋めていた。

舌を動かしてやると、シホが細い声で泣く。

シホの愛液に、顔が濡れる。

もっとまみれたくて、シホの股の間で、遊びつづけた。

「ああ・・・・はぁ・・・・ああっ!・・・・」

シホが、たまらないと言わんばかりに、声を上げる。

痛いほどにオレのモノを握りしめてくる。

飽くことなく舐めつづけて、シホを狂わせた。

次から次へと溢れだす、メスの匂い。

舌ですくって喉の奥に流し込んだ。

何度も繰り返した。

シホは、丹念に舌を這わせている。

丁寧に上から下まで舌を這わせて、愛しむように口づける。

まるですべてを欲しがるように呑み込んでいた。

足を上げて、シホは、身体の向きを入れ替えると、自分で腰を沈めてきた。

オレに跨り、胸を併せてくる。

「あっ・・・あっ・・タカ君が・・・守ってくれるの?・・・。」

オレにしがみつきながら、切れ切れの声で囁いた。

腰が、一定のリズムを刻んで、絶え間なく上下する。

主導権は、間違いなくシホにあった。

舌が伸びてきて、顔の汚れを舐め取っていく。

「はぁぅっ!・・・ずっと、守ってくれる?・・・・・」

あどけない顔が、オレを見つめる。

不思議な表情だ。

シホは、どこか楽しそうに笑っているようにも見える。

つぶらな瞳が、ずっとオレを見つめていた。

「・・・・守って、くれるんでしょ?・・ずっと、守ってくれるんでし
ょ?・・・」

何から守ればいい?・・・・・。

お前たちを狙っている襲撃者とは、いったい誰なのだ・・・・・?

「一緒に、住もう!・・・・そして・・私たちを、守りつづけて!」

シホの腰の動きが速まっていった。

シホは、一心不乱に昇りつめようとしていた。

ベッドが軋む。

痛いくらいに、シホがしがみついてくる。

夢中になっていた。

シホは、狂ったように喘いでいた。

耳元の声が、大きくなる・・・。

オレは、知らなかった。

この女が、あんな恐ろしい秘密を抱えていたなんて、その時のオレに
は・・・・・まだ知るよしもなかった・・・・・・。






下の奥さんに、聞こえてんのかな?・・・・・・・。



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09/09/15 23:15 (1bIGIDp8)
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