オッサンとニーチャンは次の駅で降りて行きました。つるんでるのかたまたまターゲットが同じだったのか知りませんが、とりあえず、邪魔が入った以上は長居は無用って所でしょう。
私の降りる駅はあと3つ位先でしたし、少女がまだ私にしがみついて居ましたので、その二人を追うことはせず、そのまま自分の降車駅まで行く事にしました。
降車駅に着いたので、普通に降りようとしたら、その少女がしがみついたまま一緒に降りて来てしまいました。
『大丈夫?』
「あ…ありがとう…ございました。」
すっかり怯えきっていて、とても見捨てて行ける状態では有りませんでした。しかも…。
『あちゃ…制服汚されちゃったんだ…。』
少女の左脇の下辺りに、何やら白濁色の液体が…立ち位置的にニーチャンの物でしょう…。
『お家どこ?』
「〇〇〇です。」
『ありょ?俺もそこなんだけど(笑)』
「ホントですか?」
『嘘ついてどうすんのよ!(b^ー°)とりあえずこれを上から着て、それ隠しちゃお。』
私は自分が着ていたウィンドブレーカーを脱いで少女の肩に、ランドセルごと掛けてあげました。
「…ありがとう…。」
『いえいえ(笑)』
「…。」
『ん?どうした?』
「…実は…。」
『実は?』
「…パンツ…取られちゃって…。」
『(゜Д゜)ハァ?』
どういう技なんだそりゃ?満員電車で小学生のパンツ脱がすって!?
『はぁ…あ~…新しいの買う?』
「…ごめんなさい…。」
『あいつら…とっ捕まえとくべきだった!(怒)』
こんな少女に、痴漢の事情聴取は酷だろうと思って穏便に片付けた事をとても後悔しながら、少女を連れてホームから改札階に上がってきた私でした。
『確かこの駅の駅ビルはGAPとかUNIQLO入ってたな…。行って買っておいでよ。えっと…お金は…。』
「…。」
『ん?』
「あの…その…。」
人の導線から少し外れたゴミ箱の前で、下を俯いてモジモジする少女…(汗)
『…うぃ…オッチャンもついて行ってあげます…。』
「…ありがとう…。」
すまなそうな声をしているのですが、少し嬉しそうにも聞こえたのは気のせいでしょうか?
私はとりあえず少女をトイレに行かせ、制服の汚れを落としてくるように指示して、私はそのゴミ箱の前で待つことにしました。
「…すいません…。」
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