ドアが開いた瞬間の妻の顔は今でも忘れられない。
俺を見た瞬間、妻は まさかとゆう驚愕の表情を浮かべた。
けれど、すぐにそれは嫌悪と軽蔑の色に変わる。
ドアを開けた数分後には、まるで汚くて醜い異物を見るような目で、悍ましくて生理的に受け付けないナニカを見るような目で、妻は俺の顔と股間を交互に見ていた。
吉崎は腹を抱えて大声で笑い、手を叩いて喜んだ。
「やっぱりだ」「ほら見ろ、言っただろ」「思った通りだ」「俺のカンが当たった」「どうだ、言った通りだろう」と俺の姿を見ながら妻に話しかけていた。
「ああ可笑しい、いやぁ笑った笑った・・・
旦那さん、アンタ、やっぱり面白いよ、すごくね・・・
こんなに笑ったのは久しぶりだ・・・にしても、まさかここまで情けない・・・想像どおりだとは・・・」
吉崎は涙を拭いながら、込み上げてくる笑いを噛み殺し、妻に向かって「おい」と声をかけた。
「まだ終わってないぞ、そろそろ続きをしろ・・・」
そう言って俺を見ると、自分に振り返った妻に向かって「ドアはそのまま開けてろ」と言った。
妻は俺をチラリと見ると何とも言えない表情になった。
そして本当に心の底から何かを諦めたような顔で小さくため息をつき、視線だけを動かして俺をチラリと見てから吉崎に振り返ると、言われた通りにドアを閉めずに ゆっくりと遠ざかっていった。
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